人生/一般 感情とは何か 感情のメロディー経験が少ない人の感情は比較的単純なものが多く、例えば、小さな子供の喜怒哀楽には、幼稚園児が叩くカスタネットの単独音のような、聴きとりやすい明快さがあります。しかし、人は経験を積めば積むほど感情も複雑になり、まるでひとつのメロ... 2022.05.12 人生/一般
人生/一般 真実とは何か 真実なき時代誰でも簡単に嘘を吐くこと(作ること及び流布すること)が技術的に可能になり、平気で嘘を吐くことが平均的なモラルとなり、反対に誰でも簡単に嘘を暴くことが技術的に可能になり、嘘を暴く暴露趣味で心を満たすことが流行りになっています。一部... 2022.05.10 人生/一般
人生/一般 幸福とは何か 幸福とは何か幸福の何であるかは人それぞれなので、「幸福とは何か」などという一般(普遍)的な問いを発しても、答えは出ません。けれど、幸福を抽出する一般(普遍)的な「方法」はあります。自分の幸福(人それぞれの幸福)を自分で明確に把握している人は... 2022.03.21 人生/一般
人生/一般 不安とは何か 不安の意味ある言葉の意味を考える際、反対の言葉や類似の言葉との比較によって明確にすることが有効です。「不安」という言葉の対義語は、「安心」です。第一に不安とは、安心でない不安定な状態を指しています。「不安」に一番似た言葉は「恐怖」でしょう。... 2022.02.08 人生/一般
人生/一般 天才とは何か 天才の反対は凡人ではない多くの場合、「天才」の反対は「凡人(凡才)」だと考えられています。また、「天才」が、先天的な天賦の才能によって、優れた能力を発揮する者であるのに対し、「秀才」は、凡才が後天的な努力によって優れた能力を獲得した者である... 2022.01.28 人生/一般
人生/一般 怒りとは何か 防衛反応としての怒り動物を観察すると、基本的に「怒り」とは、生命の危険に対する防衛反応だと理解できます。ただ、人間は理性(心)を持ったより複雑な動物であり、その情動も心身両面で考察する必要があります。そして、私的報復を禁じ、代わりに公的権力... 2022.01.23 人生/一般
人生/一般 正直とは何か 正直と嘘子供の頃は皆、大人に「正直であれ」と言い聞かされます。しかし、大人になると、「正直者は馬鹿を見る(損をする)」ことが分かり、多くの人が正直であることを止めていきます。むしろ社会の中で生きていく際に、正直を止めることを推奨されたり、嘘... 2022.01.13 人生/一般
人生/一般 騙される原因と対処法 はじめに日常では、「騙された」と主張する人と「騙していない」と主張する人の間の諍いが絶えません。対立が生じる場所には、何らかの矛盾があると考え、それを明らかにすることが、理性による仲裁方法です。この「騙される」とは、どういうことなのかを、男... 2022.01.06 人生/一般
人生/一般 名前とは何か 名前=存在事物の存在というものは、基本的にそれに名前を付けることによってはじめて成立します。なにかある事物が発見された瞬間、個人の頭の中や公けの文書の中などに、必ずそれは言葉として、何らかの形で記されます。私が認識する「世界」という存在は、... 2022.01.04 人生/一般芸術/メディア
人生/一般 継続とは何か 継続は力「継続は力なり」などとよく言われます。様々な文脈で言われるので、その意味するところも色々です。それら色々な意味の中で主だったものについて、少し考えてみたいと思います。一、単純な意味での継続多くの人があることを為そうと奮起しても、かな... 2021.11.06 人生/一般
人生/一般 愛とは何か 愛の定義「愛」という概念の定義付けは、芸術家や宗教家の永遠の課題です。たぶん、論理理屈だけで説明できる代物ではないので、偉い学者などより、感性や実践を重んじる彼らの方がよく理解できるのでしょう。理屈だけでは理解できない難物だからこそ、多くの... 2021.06.01 人生/一般
人生/一般 運命とは何か 運命は変えられるのかここで言う「運命」とは、「自由意志」の対概念としてのものです。「自由意志(以下、意志)」が、自分の意志的な決断による選択の自由を指すなら、「運命」は、あらかじめ自分のなす選択が自分の意志以外のものに強制的に決められている... 2021.04.18 人生/一般
人生/一般 デシの『人を伸ばす力』(かんたん版) 概要人間の動機には、「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」という二つのものがあります。動機づけとは、いわゆるモチベーションのことです。たとえば、好きでランニングをするランナーは、内的な満足のために「内発的動機づけ」で走り、体育で嫌々走らされ... 2021.03.11 人生/一般心理/精神
人生/一般 スマイルズの『自助論』(かんたん版) 第一章、自助の精神天は自ら助くる者を助く。援助は人を弱くし、自立の精神を挫き、自立の欲求すらなくします。自分で自分を助ける自助の精神こそ、人間を真に助けるものです。多くの人は自分の力を信じず、国家(国民国家)に頼ろうとします。しかし、国家は... 2021.02.26 人生/一般
人生/一般 九鬼周造の『「いき」の構造』(かんたん版) 言葉は歴史と文化の反映言葉というものには、その国の文化と歴史が刻み込まれています。ひとつの言葉の中には、どうしても他の国の言葉に翻訳できない特殊な意味やつながりが存在しています。例えば、仏教国であり自然災害国である日本において「諦め」という... 2021.02.18 人生/一般言語/論理
人生/一般 共感とは何か 共感の条件管理者(親や教師や上司や先輩など)は、とかく同情や共感というものを語りたがります。他人の気持ちを理解し行動することが社会性の基礎であり、社会の成員として生きる以上は他人に共感できるように成れ、という訳です。しかし、共感というものは... 2021.01.27 人生/一般
人生/一般 ラッペの『小さな惑星の緑の食卓』 はじめにヴィーガニズムやベジタリアニズムの主な動機となるものは、1.健康・栄養面、2.倫理・宗教面、3.政治・経済面の三つです。特に日本は神道および仏教の国なので、自然の命を重んずるという倫理的な側面が強く押し出される傾向にあります。「大豆... 2020.12.22 人生/一般社会/政治
人生/一般 自助とは何か 自助の精神自助の精神を述べる有名なことわざとして、「天(神)は自ら助くる者を助く」というものがあります。古代ギリシャから伝わるものですが、特に日本においてこの言葉が広く使われるようになったのは、明治日本の近代化において欧米的な主体性の精神が... 2020.11.23 人生/一般
人生/一般 アリストテレスの『ニコマコス倫理学』(かんたん版) 幸福とは人間行動の究極目的となるもの行動というものには、基本的にある目的があります。そして、その目的というものは、もっと大きな目的のための手段になっています。さらに、その大きな目的は、もっと大きな目的のための手段になっており、この階段を昇っ... 2020.11.16 人生/一般宗教/倫理
人生/一般 未来とは何か 時間の定義事物の何であるかは、「定義」次第です。定義とは、それが何であるか(本質)を述べるものです。ある事物の定義は、時代や場所によって(さらに言えば個人によって)異なるため、たとえ同じ一つのものであっても、複数の定義を持ち、様々なものとし... 2020.11.13 人生/一般
人生/一般 アリストテレスの『友愛論』(2) (1)のつづき<第九巻、愛について(続)>第一章、――第二章、――第三章、愛の解消愛した時とは、異なる人間になった相手に対して、そのまま愛すべきかどうかという問題があります。先にも述べたように、有用性や快楽によって結びついた者たちは、不安定... 2020.11.07 人生/一般哲学/思想
人生/一般 アリストテレスの『友愛論』(1) ※本頁は『ニコマコス倫理学』第八巻、第九巻の「友愛論」を単独で扱ったものです。そのままでも読めますが、一巻から読んでおくと、より理解が深まります。<第八巻、愛について>第一章、愛の必要性「愛」はアレテー(徳、卓越性、器量)の一種で、人生にお... 2020.10.31 人生/一般哲学/思想
人生/一般 才能とは何か 才能と努力ここで言う「才能」とは、辞書を引いて一番最初に出てくる意味、“生まれ持った能力”のことを指します。これと対比的によく使われるのは「努力」です。才能は先天的なものであり、努力は後天的なものです。自己意識(主体)が芽生える前の幼少期に... 2020.09.07 人生/一般
人生/一般 希望、絶望とは何か 「希望」という語の胡散臭さ希望とは望むこと、絶望とはその望みが絶えることです。希望は“のぞむ”という字が二つ連なっています。語源的に「まれ(希)+のぞみ(望)」ではなく「のぞみ(希)+のぞみ(望)」の意の方が強いようです。「のぞみが絶える」... 2020.07.06 人生/一般
人生/一般 トルストイの『人生論』(かんたん版) 『人生論』とはトルストイの著作は明確に前期と後期に分けられます。前期は純粋に芸術家としての文学作品が中心であり、有名な小説『戦争と平和』がこれにあたります。後期は思想家(あるいは宗教家)としての文学作品が中心であり、有名な『復活(カチューシ... 2020.05.19 人生/一般宗教/倫理
人生/一般 トルストイの『人生論』(4) (3)のつづき第二十八章~三十三章、生命とは何か【解説】長いので適当にまとめます。ここにきてようやく今まで具体的に語られなかった「生命」というものが定義付けられます。まず、生き死にに関わる自己というものが何なのかの考察から入ります。古代から... 2020.05.17 人生/一般宗教/倫理
人生/一般 トルストイの『人生論』(3) (2)のつづき第十八章、幸福の条件私(個我)の幸福を不可能にするのは、第一に「個我同士の闘争」、第二に「倦怠と苦痛に終わる個人的快楽の虚構(欺瞞)性」、第三に「個我の有限性、いわゆる老いと死」と最初に述べました。こういう世界において、人間の... 2020.05.11 人生/一般宗教/倫理
人生/一般 トルストイの『人生論』(2) (1)のつづき第十章、理性は人間にとっての自然の摂理魚がその本性に従い泳ぎ、鳥がその本性に従い飛ぶように、人間はその本性である理性の法則に従い生きることが自然なのです。勿論、人間の本質は「理性」によって規定されると同時に、私たちは動物です。... 2020.05.05 人生/一般宗教/倫理
人生/一般 トルストイの『人生論』(1) 序章一般に科学的思考というものは、合理的なものと考えられています。しかし、実際にはそれは非常に不合理なものであり、現代において科学と言うものはある種の宗教のようなものとなっています。ドグマ(教義)がためのドグマであり、科学の御名において私た... 2020.04.29 人生/一般宗教/倫理
人生/一般 危機における五つの心得(自分用) (※本稿は2020年4月緊急事態宣言発令時に書かれたものです。)危機において自分を戒めるための五つの心がけです。自分自身に言い聞かせるために整理したものです。誰かを批判する前に自分を批判(自己反省)する他人の責任を問う前に、先ず自分の責任を... 2020.04.18 人生/一般
人生/一般 エピクテトスの『要録』(2) (1)のつづき二十四、自分が高い名誉や権力や財産を持たず、目立って社会や国家のために役立つ偉人ではない普通の人間であるということを嘆いてはなりません。自分の権内において立派な者であることこそが、最も価値のあることだからです。先ず、そういう自... 2020.03.05 人生/一般哲学/思想
人生/一般 偽善とは何か(2)実践 (1)のつづき実利的に考える前頁では本人の意志や態度を中心として、いわば観念的な問題として偽善について考察しましたが、実際的な問題として考えれば、端的に「善いことをする人は善い人、悪いことをする人は悪い人」です。実利的に言えば、心の内容は外... 2020.03.01 人生/一般
人生/一般 エピクテトスの『要録』(1) 本書についてエピクテトスは、セネカ、マルクス・アウレリウスと並ぶ後期ストア派の哲人です。高官であるセネカや皇帝であるマルクスとは真逆で、奴隷として哲学を学び、解放後に哲学の学校を開くことになります。エピクテトス自身の著作は残っておらず、教え... 2020.02.29 人生/一般哲学/思想
人生/一般 自己責任とは何か はじめに最近、「自己責任」という言葉が流行っています。しかし、この言葉が使われる時、たいてい何か矛盾した文脈で使われており、強い違和感を覚えます。そこで、この言葉の意味とその違和感の原因について考えてみたいと思います。自由と責任「自己責任」... 2020.02.27 人生/一般
人生/一般 キューブラー=ロスの『死ぬ瞬間』 概要人間は死ぬ瞬間に意識を失うので「死」を経験することができず、他人の死を通しての想像や、睡眠とのアナロジーなどによって間接的にとらえるしかありません。これは古代ギリシャの時代から言われていることです。ですから、現実的な「死」というものは、... 2020.02.19 人生/一般心理/精神