樽の中のネコデゲス

社会/政治

クラッパーの『マス・コミュニケーションの効果』第二部

第一部のつづき第六章、暴力的メディア内容がもたらす効果マスコミの効果に関する人々の大きな関心として、メディアにおける犯罪と暴力の描写が視聴者(特に若年層)に影響を与える、という問題があります。客観的な統計により、すべてのメディアでおびただし...
社会/政治

クラッパーの『マス・コミュニケーションの効果』第一部

第一章、イントロダクション本書で扱われる内容は以下のようなものであり、各章で詳細な考察が展開されます。1.マス・コミュニケーションは通常、受け手の効果の必要かつ十分な原因として作用するものではない。そうではなくて、マス・コミュニケーションは...
その他

おススメの映画100選

※個人的に良いと思う名作外国映画を紹介します(順番はテキトーです)。五年前の記事の画像付き版です。暇な時にアップします。ある程度誰でも観ることのできる(いわゆる普通の)映画に絞っています。<人間っぽいやつ>『エンジェル・アット・マイテーブル...
哲学/思想

バークリの『ハイラスとフィロナスの三つの対話』(3)

(2)のつづき第三対話フィロナスおはよう、ハイラス。よい考えは見付かったかい?ハイラスいえ、ただ虚しさだけがつのっただけです。人間の意見など不確かで、今日賛成していたことを明日には非難します。そうやって、知識について騒ぎ続けるだけで、何も知...
人生/一般

勝ち組、負け組とは何か

勝ち組と負け組現代の俗語としての「勝ち組」「負け組」とは、競争社会における社会的地位および経済的地位の優劣を指す言葉です。勝ち負けは評価基準によって相対的に変化するものですが、この「勝ち組」「負け組」の評価基準は非常に単純で、結果として現れ...
哲学/思想

バークリの『ハイラスとフィロナスの三つの対話』(2)

(1)のつづき第二対話ハイラス遅くなってしまって、申し訳ありません。昨日のことをずっと考えていて、余裕がなくなってしまいました。フィロナスいや、それだけ熱心になってくれれば嬉しいよ。では、早速、考えたことを教えてくれないか。ハイラス何度も考...
哲学/思想

バークリの『ハイラスとフィロナスの三つの対話』(1)

はじめに本書は、バークリの主著である『人知原理論』を、一般の人向けに対話編の形で解説したものです。大学の構内で、研究員のフィロナスと学生のハイラスが出会うところからはじまります。第一対話フィロナスおやよう、ハイラス。こんなに良い天気なのに、...
哲学/思想

詭弁とは何か(2)実践

(1)のつづきはじめに意図的な論理からの逸脱が「詭弁」、非意図的な論理からの逸脱が「誤謬」です。論理的に非常に見破り難い詭弁とは、裏を返せば、論理的に非常に誤りやすい誤謬であるということです。本頁では、難しい詭弁(誤謬)から簡単な詭弁(誤謬...
哲学/思想

詭弁とは何か(1)基礎

レトリックと詭弁「レトリック」とは、弁論術、説得術、修辞学などの"言語の表現の技術"を指す、古代ギリシャに由来する概念です。現代では文学的修辞法のイメージが強いですが、それはレトリックの一部にすぎません。これはあくまで言語表現の技術であり、...
人生/一般

親ガチャとは何か

※ここで述べる家庭環境とは、主にお金と教育を指しています。親ガチャと子ガチャ「親ガチャ」とは、生まれる家庭環境の良し悪しの運の要素を、ランダムで商品が出てくる「ガチャポン」や、ランダムでゲーム内のアイテムやキャラなどが獲得できる「ガチャ」に...
芸術/メディア

バラージュの『視覚的人間』(2)

(1)のつづき第五章、クローズアップ映画のルーペは生組織の個々の細胞を我々の眼の前にもたらし、具体的な生の素材と実体をふたたび我々に感じとらせる。それはきみの手がなでたり打ったりしているのに、少しもきみが注意を払わず気づきもしないその手の動...
芸術/メディア

バラージュの『視覚的人間』(1)

※ここで述べられる「映画」とは、白黒のサイレント映画のことです。第一章、視覚的人間印刷術の発明によって、伝達手段は言語を通したものが中心となり、視覚の文化は概念の文化に変わり、精神は見られるものから読まれるものとなりました。それは同時に、生...
芸術/メディア

アルンハイムの『芸術としての映画』(3)映画の進化

(2)のつづき第三章、映画の内容身体を通しての心(精神)映画がその表現のために使用する材料は、物質的対象と自然の出来事のみです。その中でも人間の顔と身体の動きを手段にした、精神(思考や感情)の表現は、最も直接的で分かりやすいものです。しかし...
芸術/メディア

アルンハイムの『芸術としての映画』(2)限界の芸術的利用

(1)のつづき第二章、映画の制作1.本章の目的映画は現実の出来事の機械的な記録への欲求から生じたもので、その関心は主題の「内容(何が描かれているか)」でしたが、映画が芸術になり始めると、映画だけの特別な手法によって対象を表現したいという「形...
哲学/思想

パースのプラグマティズム(2)

(1)のつづき四つの能力の否定パースは、西洋近代哲学の基礎であるデカルト主義(先天的方法)が前提としていた人間に備わる四つの能力を否定することで、自身の反デカルト的、反近代哲学的立場を明らかにします。自己(認識主体)が自己の精神(内面)にあ...
哲学/思想

パースのプラグマティズム(1)

プラグマティズムとはプラグマティズムはアメリカを代表する哲学であり、チャールズ・サンダース・パースがその創始者です。一般的な「プラグマティズム」という言葉は、アメリカ人特有の単なる実利重視の「実用主義」と考えられています。しかし、パースのプ...
人生/一般

逃げとは何か

逃げちゃダメ?他人に対して「逃げるな」と言ったり、自分に対して「逃げちゃダメだ」と言ったり、人間は非常に逃げることに対して敏感です。動物は危険や面倒を察知すれば躊躇なく逃げますが、人間には妙な自尊心や、漫画のヒーローのように危険や面倒を機会...
哲学/思想

パースのアブダクション

三つの推論形式チャールズ・サンダース・パースは、伝統的な推論の形式、科学的手続きである「インダクション(帰納法)」「ディダクション(演繹法)」に対し、もう一つの形式「アブダクション」を加えることを提唱します。帰納法(インダクション)帰納法は...
哲学/思想

ジェームズの『信じる意志』(かんたん版)

信じるべきか疑うべきか本書の主題は、信じるべき(信仰)か疑うべき(懐疑)か、という問いです。純粋に知的な問題であれば、目の前の選択肢のどちらを選ぶべきか(信じるべきか)を、充分な証拠が得られるまで疑い、確証を得た上で、そちらを信じればよいだ...
哲学/思想

ジェームズの『信じる意志』(2)

(1)のつづき第八章、科学的問題所信の選択において、感情の影響は不可避であると同時に、合法的な決定因です。所信の選択の最も基本的な最初の段階で、前章で述べた「真理を獲得する」か「誤謬を避ける」かという感情的な影響があります。しかし、理想的に...
哲学/思想

ジェームズの『信じる意志』(1)

はじめに『信じる意志』は、イギリスの数学者、哲学者であるクリフォードの原理「十分な証拠なしに何かを信じることは不道徳である」に対する批判として為された講演です。極端な科学的、実証主義的な懐疑から、道徳的信念や宗教的信仰を護るためのものです。...
芸術/メディア

アルンハイムの『芸術としての映画』(1)映画の限界

第一章、映画とリアリティ1.本章の目的写真や映画は機械的なリアリティの再現にすぎず、芸術になることはできないと、人々は言います(1933年当時)。この見解に対し反論することによって、映画芸術の本質を明らかにすることが目的です。2.立体の平面...
人生/一般

自己成就的予言(かんたん版)

自己成就的予言とは自己成就的予言(自己実現的予言)とは、「予言が結果として事実になってしまう」という社会学的な法則の事を指しています。なぜ、そういう事が生じるかと言うと、予言が予言に従った行為を生じさせるので、その行為が予言を現実化するため...
社会/政治

マートンの自己成就的予言

トーマスの公理社会学者ウィリアム・アイザック・トーマス(1863-1947)が述べた以下の公理は、社会の動きを理解するために重要です。「もし、人がある状況をリアル(真実、現実)であると定義すれば、それは結果においてもリアルである」"If m...
芸術/メディア

バザンの『存在論と言語(映画とは何か)』

はじめに本頁は、アンドレ・バザンの主著である『映画とは何か-全四巻-』のうち、映画理論を集めた第一巻『存在論と言語』を簡潔にまとめたものです。最も重要な三つの論文「写真映像の存在論」「映画言語の進化」「禁じられたモンタージュ」を扱います。第...
芸術/メディア

CGの本質と限界

画材の本質「あるメディア(メディウム)の本質は、そのメディア(メディウム)の限界に一致する」というのが、絵画の特質を深く考察したグリーンバーグの説です。よく仏教の坊さんが言うように、「短所と長所は同じものを別の面から見たもの」という感じです...
芸術/メディア

絵の上手さの種類

絵の上手さの分類絵が上手いと言っても、色々な上手さがあります(注1)。同じ運動能力と言っても、筋力と瞬発力の最大化を目指すウエイトリフティングと、心肺機能と持久力の最大化を目指すマラソンでは、まったく異なるのと同様です。目的となる絵によって...
芸術/メディア

フォーマリズムとは何か(映画)

はじめにフォーマリズムとは日本語で「形式主義」です。これは、形式(容れ物)と内容(中身)の対概念のうち、形式の方を重視する考え方です。例えば、以前取り上げたグリーンバーグは絵画におけるフォーマリズムであり、マクルーハンの「メディアはメッセー...
人生/一般

完璧主義とは何か

完璧主義者と真の完璧主義者社会心理学者のエーリッヒ・フロムは、完璧主義に陥った人に対し、真の完璧主義者とは完璧を放棄できる人の事だ、と教え諭します。真の完璧とは完璧の放棄、という矛盾した言葉ですが、この場合、前者は本質的な目的に対する完璧、...
心理/精神

ラザルスの『ストレスの心理学』(2)対処編

(1)のつづき第五章、対処の概念ーー第六章、対処のプロセス第一節、対処の定義プロセスとしての「対処」とは、自分の力を超えるような環境(外部)および自身(内部)の双方(あるいは一方)からの強制的圧力が生じた際、それを適切に処理し、統制していこ...
人生/一般

失敗とは何か

失敗とは「成功」とは、ある目的に向けた行為によってそれが達成されることです。「失敗」とは、反対に、その行為が目的を達成できないという事態を指しています。人間の行為はほぼすべて、ある目的に向けた行為(いわゆる意志的な行為)によって構成されてい...
人生/一般

災厄とは何か

人生停止スイッチ長い人生、様々な災厄が降りかかってきます。もし、アンドロイドのように脇腹のハッチを開ければ生命活動を停止するスイッチがあり、指先ひとつで簡単に人生を停止できたとしたなら、心の繊細な日本人の人口は半分くらいになってしまうかもし...
人生/一般

後悔とは何か

なぜ後悔するのか「後悔」とは後になって悔いることですが、基本的にネガティブな意味で使われます。ポジティブな場合は「反省」であり、前進や学びのための糧としての悔いとなります。例えば、過去に為した窃盗を後悔し、謝罪に行き被害弁償すれば、後悔は反...
人生/一般

教養とは何か

善し悪しの基準基本的の物事に優劣をつけるためには、その評価のためのある特定の基準が必要です。物事に固定した優劣はなく、基準によって善いものであったり、悪いものであったりします。そのもの自体はただの素材であり、善いも悪いもありません。例えば、...
芸術/メディア

美とは何か

はじめにここで述べるのは、一番ふつうの「美」についてです。基本の基としての美で、難しい芸術論ではなく、普通の人向けのものです。たとえ話昔、あるお茶の先生が弟子に対し、路地を掃除するよう言い付けました。そして、綺麗に掃除を終えた弟子に対し、先...