哲学/思想 ジェームズの『信じる意志』(1) はじめに『信じる意志』は、イギリスの数学者、哲学者であるクリフォードの原理「十分な証拠なしに何かを信じることは不道徳である」に対する批判として為された講演です。極端な科学的、実証主義的な懐疑から、道徳的信念や宗教的信仰を護るためのものです。... 2022.10.28 哲学/思想宗教/倫理
芸術/メディア アルンハイムの『芸術としての映画』(1)映画の限界 第一章、映画とリアリティ1.本章の目的写真や映画は機械的なリアリティの再現にすぎず、芸術になることはできないと、人々は言います(1933年当時)。この見解に対し反論することによって、映画芸術の本質を明らかにすることが目的です。2.立体の平面... 2022.10.17 芸術/メディア
人生/一般 自己成就的予言(かんたん版) 自己成就的予言とは自己成就的予言(自己実現的予言)とは、「予言が結果として事実になってしまう」という社会学的な法則の事を指しています。なぜ、そういう事が生じるかと言うと、予言が予言に従った行為を生じさせるので、その行為が予言を現実化するため... 2022.10.09 人生/一般社会/政治
社会/政治 マートンの自己成就的予言 トーマスの公理社会学者ウィリアム・アイザック・トーマス(1863-1947)が述べた以下の公理は、社会の動きを理解するために重要です。「もし、人がある状況をリアル(真実、現実)であると定義すれば、それは結果においてもリアルである」"If m... 2022.10.08 社会/政治
芸術/メディア バザンの『存在論と言語(映画とは何か)』 はじめに本頁は、アンドレ・バザンの主著である『映画とは何か-全四巻-』のうち、映画理論を集めた第一巻『存在論と言語』を簡潔にまとめたものです。最も重要な三つの論文「写真映像の存在論」「映画言語の進化」「禁じられたモンタージュ」を扱います。第... 2022.09.16 芸術/メディア
芸術/メディア CGの本質と限界 画材の本質「あるメディア(メディウム)の本質は、そのメディア(メディウム)の限界に一致する」というのが、絵画の特質を深く考察したグリーンバーグの説です。よく仏教の坊さんが言うように、「短所と長所は同じものを別の面から見たもの」という感じです... 2022.09.14 芸術/メディア
芸術/メディア 絵の上手さの種類 絵の上手さの分類絵が上手いと言っても、色々な上手さがあります(注1)。同じ運動能力と言っても、筋力と瞬発力の最大化を目指すウエイトリフティングと、心肺機能と持久力の最大化を目指すマラソンでは、まったく異なるのと同様です。目的となる絵によって... 2022.09.02 芸術/メディア
芸術/メディア フォーマリズムとは何か(映画) はじめにフォーマリズムとは日本語で「形式主義」です。これは、形式(容れ物)と内容(中身)の対概念のうち、形式の方を重視する考え方です。例えば、以前取り上げたグリーンバーグは絵画におけるフォーマリズムであり、マクルーハンの「メディアはメッセー... 2022.08.19 芸術/メディア
人生/一般 完璧主義とは何か 完璧主義者と真の完璧主義者社会心理学者のエーリッヒ・フロムは、完璧主義に陥った人に対し、真の完璧主義者とは完璧を放棄できる人の事だ、と教え諭します。真の完璧とは完璧の放棄、という矛盾した言葉ですが、この場合、前者は本質的な目的に対する完璧、... 2022.07.31 人生/一般
心理/精神 ラザルスの『ストレスの心理学』(2)対処編 (1)のつづき第五章、対処の概念ーー第六章、対処のプロセス第一節、対処の定義プロセスとしての「対処」とは、自分の力を超えるような環境(外部)および自身(内部)の双方(あるいは一方)からの強制的圧力が生じた際、それを適切に処理し、統制していこ... 2022.07.11 心理/精神
人生/一般 失敗とは何か 失敗とは「成功」とは、ある目的に向けた行為によってそれが達成されることです。「失敗」とは、反対に、その行為が目的を達成できないという事態を指しています。人間の行為はほぼすべて、ある目的に向けた行為(いわゆる意志的な行為)によって構成されてい... 2022.06.24 人生/一般
人生/一般 災厄とは何か 人生停止スイッチ長い人生、様々な災厄が降りかかってきます。もし、アンドロイドのように脇腹のハッチを開ければ生命活動を停止するスイッチがあり、指先ひとつで簡単に人生を停止できたとしたなら、心の繊細な日本人の人口は半分くらいになってしまうかもし... 2022.06.22 人生/一般
人生/一般 後悔とは何か なぜ後悔するのか「後悔」とは後になって悔いることですが、基本的にネガティブな意味で使われます。ポジティブな場合は「反省」であり、前進や学びのための糧としての悔いとなります。例えば、過去に為した窃盗を後悔し、謝罪に行き被害弁償すれば、後悔は反... 2022.06.09 人生/一般
人生/一般 教養とは何か 善し悪しの基準基本的の物事に優劣をつけるためには、その評価のためのある特定の基準が必要です。物事に固定した優劣はなく、基準によって善いものであったり、悪いものであったりします。そのもの自体はただの素材であり、善いも悪いもありません。例えば、... 2022.05.28 人生/一般
芸術/メディア 美とは何か はじめにここで述べるのは、一番ふつうの「美」についてです。基本の基としての美で、難しい芸術論ではなく、普通の人向けのものです。たとえ話昔、あるお茶の先生が弟子に対し、路地を掃除するよう言い付けました。そして、綺麗に掃除を終えた弟子に対し、先... 2022.05.13 芸術/メディア
人生/一般 感情とは何か 感情のメロディー経験が少ない人の感情は比較的単純なものが多く、例えば、小さな子供の喜怒哀楽には、幼稚園児が叩くカスタネットの単独音のような、聴きとりやすい明快さがあります。しかし、人は経験を積めば積むほど感情も複雑になり、まるでひとつのメロ... 2022.05.12 人生/一般
人生/一般 真実とは何か 真実なき時代誰でも簡単に嘘を吐くこと(作ること及び流布すること)が技術的に可能になり、平気で嘘を吐くことが平均的なモラルとなり、反対に誰でも簡単に嘘を暴くことが技術的に可能になり、嘘を暴く暴露趣味で心を満たすことが流行りになっています。一部... 2022.05.10 人生/一般
心理/精神 ラザルスの『ストレスの心理学』(1)認知的評価 第一章、ストレスの概念ーー第二章、認知的評価一節、評価概念の必要性環境からの刺激に対する人々の解釈は異なり、その反応の仕方には、個人差やグループ差があります。ある侮辱行為に対し、怒るか、気にしないか、憂鬱になるか等の反応は、人により異なりま... 2022.05.03 心理/精神
人生/一般 幸福とは何か 幸福とは何か幸福の何であるかは人それぞれなので、「幸福とは何か」などという一般(普遍)的な問いを発しても、答えは出ません。けれど、幸福を抽出する一般(普遍)的な「方法」はあります。自分の幸福(人それぞれの幸福)を自分で明確に把握している人は... 2022.03.21 人生/一般
哲学/思想 ロックの『市民政府論』(かんたん版) 自然状態人間は、自然本来の状態においては、完全に自由で、他人の意志ではなく自分の意志で行動を決定し、自分の生命と身体と財産を扱います。同一クラスの被造物(人類)である人間は、万人が平等な権力、権限を持ち、主従の関係のない状態にあります。これ... 2022.03.12 哲学/思想社会/政治
哲学/思想 ロックの『市民政府論(統治論第二論)』(6) (5)のつづき第十七章、簒奪について197-198ーー第十八章、暴政について199簒奪は、他人が持つ正当な権利を横取りし、その権力を行使することです。暴政は、権利を超えて権力を行使することです。暴政はこの権力を公益でなく私益(貪欲、野心、復... 2022.02.26 哲学/思想社会/政治
人生/一般 不安とは何か 不安の意味ある言葉の意味を考える際、反対の言葉や類似の言葉との比較によって明確にすることが有効です。「不安」という言葉の対義語は、「安心」です。第一に不安とは、安心でない不安定な状態を指しています。「不安」に一番似た言葉は「恐怖」でしょう。... 2022.02.08 人生/一般
哲学/思想 ロックの『市民政府論(統治論第二論)』(5) (4)のつづき第十四章、大権について159立法権力と執行権力が別の者に委ねられている統治形態では、法の不備を補うために、公益という基本原理に基づき、様々な事柄が執行権力の思慮分別に任されることになります。法が予見できない事例、法に記載のない... 2022.02.05 哲学/思想社会/政治
人生/一般 天才とは何か 天才の反対は凡人ではない多くの場合、「天才」の反対は「凡人(凡才)」だと考えられています。また、「天才」が、先天的な天賦の才能によって、優れた能力を発揮する者であるのに対し、「秀才」は、凡才が後天的な努力によって優れた能力を獲得した者である... 2022.01.28 人生/一般
人生/一般 怒りとは何か 防衛反応としての怒り動物を観察すると、基本的に「怒り」とは、生命の危険に対する防衛反応だと理解できます。ただ、人間は理性(心)を持ったより複雑な動物であり、その情動も心身両面で考察する必要があります。そして、私的報復を禁じ、代わりに公的権力... 2022.01.23 人生/一般
哲学/思想 ロックの『市民政府論(統治論第二論)』(4) (3)のつづき第十一章、立法権力の範囲について134立法権力は政治共同体の最高権力であり、それ以外のいかなる者の命令も、公的に選ばれ任命された立法部の承認なしには、法としての効力も拘束力ももちません。法律を制定するための絶対条件である“社会... 2022.01.20 哲学/思想社会/政治
人生/一般 正直とは何か 正直と嘘子供の頃は皆、大人に「正直であれ」と言い聞かされます。しかし、大人になると、「正直者は馬鹿を見る(損をする)」ことが分かり、多くの人が正直であることを止めていきます。むしろ社会の中で生きていく際に、正直を止めることを推奨されたり、嘘... 2022.01.13 人生/一般
人生/一般 騙される原因と対処法 はじめに日常では、「騙された」と主張する人と「騙していない」と主張する人の間の諍いが絶えません。対立が生じる場所には、何らかの矛盾があると考え、それを明らかにすることが、理性による仲裁方法です。この「騙される」とは、どういうことなのかを、男... 2022.01.06 人生/一般
人生/一般 名前とは何か 名前=存在事物の存在というものは、基本的にそれに名前を付けることによってはじめて成立します。なにかある事物が発見された瞬間、個人の頭の中や公けの文書の中などに、必ずそれは言葉として、何らかの形で記されます。私が認識する「世界」という存在は、... 2022.01.04 人生/一般芸術/メディア
哲学/思想 ロックの『市民政府論(統治論第二論)』(3) (2)のつづき第八章、政治社会の起源について95生来的に自由で平等である人間が自然状態を脱し政治共同体に属するのは、己の合意によってのみであり、同意なしに他者の政治権力に服することはありません。そして、合意によって結合した一つの政治体(国家... 2022.01.02 哲学/思想社会/政治
哲学/思想 ロックの『市民政府論(統治論第二論)』(2) (1)のつづき第六章、父権について52ーー53ここでいう「父権」は便宜的な名称で、実質的には母親を含む「親権」のことです。54「全ての人間は生まれながらに平等である(二章四節参照)」と述べましたが、言い換えればそれは「人間は他人の意志や権威... 2021.12.06 哲学/思想社会/政治
哲学/思想 ロックの『市民政府論(統治論第二論)』(1) はじめに本書『統治論(統治二論)』は前後編の二論に分かれており、第一論では国王権力の絶対性を聖書解釈によって裏打ちしようとしたフェルマーの王権神授説への反論がなされ、第二論ではそれに代わる人民を中心とした政治的統治について語られます。一般的... 2021.11.14 哲学/思想社会/政治
人生/一般 継続とは何か 継続は力「継続は力なり」などとよく言われます。様々な文脈で言われるので、その意味するところも色々です。それら色々な意味の中で主だったものについて、少し考えてみたいと思います。一、単純な意味での継続多くの人があることを為そうと奮起しても、かな... 2021.11.06 人生/一般
社会/政治 ゴッフマンの『行為と演技』(かんたん版) 自己とは社会役割という仮面(ペルソナ=パーソン)私たちは、他者の情報を基にして、自分の行動を決定しています。例えば、相手が王様か乞食かによって、対応は相当変化します。その反対に、私は自分の意図した通りに、他人に動いて欲しいので、自分の都合に... 2021.10.30 社会/政治芸術/メディア
社会/政治 ゴッフマンの『行為と演技』(3) (2)のつづき<第五章、役割外のコミュニケーション>非公式のコミュニケーション役割を演ずるという公然と伝達されるコミュニケーションの背後には、それと異なり矛盾する、暗黙のコミュニケーションの流れがあります。公然(公式、表、役割内)の方が虚構... 2021.10.23 社会/政治芸術/メディア