樽の中のネコデゲス

人生/一般

希望、絶望とは何か

「希望」という語の胡散臭さ 希望とは望むこと、絶望とはその望みが絶えることです。 希望は“のぞむ”という字が二つ連なっています。 語源的に「まれ(希)+のぞみ(望)」ではなく「のぞみ(希)+のぞみ(望)」の意の方が強いようです。 「...
その他

2020年 上半期ランキング TOP25

<2020年度上半期アクセス数ランキングTOP25> 集計 2020年1月1日~6月30日迄 投票総数 425,173票 候補記事数 265本 一位、パスカルの『パンセ』 二位、詩とは何か 三位、ベンサム...
心理/精神

バンデューラの『モデリングの心理学』(2)

(1)のつづき 観察学習における強化 オペラント条件付けにおける学習は、模倣された行動の結果に対し生じる好子(褒美)によって強化されると言います。 図式化すると以下のようになります。 モデル刺激→反応→強化刺激→ それに対し、学習...
心理/精神

バンデューラの『モデリングの心理学』(1)

※本項の前に必ずスキナーの項(前半部分だけで可)をお読みください。 人は観察によって学ぶ アルバート・バンデューラのモデリング心理学(観察学習理論)は、主体と外的結果を重視するスキナーの行動主義心理学の理論を、他者と内的過程を含むものへ...
芸術/メディア

エイゼンシュテインの映画の弁証法(2)

(1)のつづき 歌舞伎における弁証法 このエイゼンシュテインの弁証法の発想の原泉となったものとして、歌舞伎(忠臣蔵)のある場面が挙げられます。 以下、少し長いですが引用します。 忠臣蔵 一例。由良之助が開け渡した城を去る。そして舞...
芸術/メディア

エイゼンシュテインの映画の弁証法(1)

映画の弁証法 映画理論において最も重要なものとして、エイゼンシュテインのモンタージュ論というものがあります。 それは弁証法という哲学独自の概念を基礎にして、映画(あるいは広義に芸術)を作ることです。 弁証法とは何か (分かる人は読み...
人生/一般

トルストイの『人生論』(かんたん版)

『人生論』とは トルストイの著作は明確に前期と後期に分けられます。 前期は純粋に芸術家としての文学作品が中心であり、有名な小説『戦争と平和』がこれにあたります。 後期は思想家(あるいは宗教家)としての文学作品が中心であり、有名な『復活...
人生/一般

トルストイの『人生論』(4)

(3)のつづき 第二十八章~三十三章、生命とは何か 【解説】 長いので適当にまとめます。 ここにきてようやく今まで具体的に語られなかった「生命」というものが定義付けられます。 まず、生き死にに関わる自己というものが何なのかの考...
人生/一般

トルストイの『人生論』(3)

(2)のつづき 第十八章、幸福の条件 私(個我)の幸福を不可能にするのは、第一に「個我同士の闘争」、第二に「倦怠と苦痛に終わる個人的快楽の虚構(欺瞞)性」、第三に「個我の有限性、いわゆる老いと死」と最初に述べました。 こういう世界にお...
人生/一般

トルストイの『人生論』(2)

(1)のつづき 第十章、理性は人間にとっての自然の摂理 魚がその本性に従い泳ぎ、鳥がその本性に従い飛ぶように、人間はその本性である理性の法則に従い生きることが自然なのです。 勿論、人間の本質は「理性」によって規定されると同時に、私たち...
人生/一般

トルストイの『人生論』(1)

序章 一般に科学的思考というものは、合理的なものと考えられています。 しかし、実際にはそれは非常に不合理なものであり、現代において科学と言うものはある種の宗教のようなものとなっています。 ドグマ(教義)がためのドグマであり、科学の御名...
人生/一般

危機における五つの心得(自分用)

(※本稿は2020年4月緊急事態宣言発令時に書かれたものです。) 危機において自分を戒めるための五つの心がけです。 自分自身に言い聞かせるために整理したものです。 誰かを批判する前に自分を批判(自己反省)する 他人の責任...
心理/精神

オルポートの『デマの心理学』(かんたん版)

デマの生じる二つの外的条件 デマが生じる条件として二つの要素があります。 A.その話題が人々にとって重要性をもつこと、B.その話題が隠されていたり曖昧であったり矛盾したりしていて真実性が薄いこと、です。 デマの流布量は、このA(重要さ...
心理/精神

オルポートの『デマの心理学』

※本書において理論的に重要な章のみ取り上げます。 第二章、デマはなぜ流れるのか 二つの基本条件 デマが生じる際には、二つの基本となる条件があります。 A、そのデマの主題(話題)が話し手及び聞き手にとって何らかの重要さを持...
心理/精神

フロイトの『夢判断』

毎晩夢を見る人間 私たちは毎日、睡眠時にたくさんの夢を見ていると言われています。 ただ、目覚めると、ほとんどのものが忘れられてしまいます。 個人の性質や状態によって、よく憶えている場合(いわゆるよく夢を見る人)と、憶えていない場合(い...
芸術/メディア

演技とは何か

第一章、演技とは何か 演技 「演技」とは、人間の行為による再現、模倣です。 アリストテレスが演劇論において述べた「ドラーマ(drama)」の本質です。 いつの時代もどこの場所でも、人は演技を観ることを欲し、広場や劇場や映画館に足をは...
芸術/メディア

谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』

一、 二、 日本の厠は母屋から離れた廊下の先の庭の蔭にあり、それは薄暗く静寂な空間で、精神的に落ち着き、瞑想にふけるに最適の場所です。 小窓から見える庭の景色や、木の葉から落ちる水滴の音、鳥や虫の声などが聴こえ、四季の...
人生/一般

エピクテトスの『要録』(2)

(1)のつづき 二十四、 自分が高い名誉や権力や財産を持たず、目立って社会や国家のために役立つ偉人ではない普通の人間であるということを嘆いてはなりません。 自分の権内において立派な者であることこそが、最も価値のあること...
人生/一般

偽善とは何か(2)実践

(1)のつづき 善いことをする奴が善い奴です 前項では本人の意志や態度を中心として、いわば観念的な問題として偽善について考察しましたが、実際的な問題として考えれば、端的に「善いことをする奴は善い奴、悪いことをする奴は悪い...
人生/一般

エピクテトスの『要録』(1)

本書について エピクテトスは、セネカ、マルクス・アウレリウスと並ぶ後期ストア派の哲人です。 高官であるセネカや皇帝であるマルクスとは真逆で、奴隷として哲学を学び、解放後に哲学の学校を開くことになります。 エピクテトス自身の著作は残...
人生/一般

自己責任とは何か

はじめに 最近、「自己責任」という言葉が流行っています。 しかし、この言葉が使われる時、たいてい何か矛盾した文脈で使われており、強い違和感を覚えます。 そこで、この言葉とその違和感の原因について考えてみたいと思います。 自由...
人生/一般

キューブラー=ロスの『死ぬ瞬間』

概要 人間は死ぬ瞬間に意識を失うので「死」を経験することができず、他人の死を通しての想像や、睡眠とのアナロジーなどによって間接的にとらえるしかありません。 これは古代ギリシャの時代から言われていることです。 ですから、現実的な「死」と...
哲学/思想

デカルトの『情念論』(3)第二部・下

(2)のつづき 91~95、六つの基本情念「喜び」と「悲しみ」 「喜び」は快い情動で、精神における善の基本となるものです。 精神が善から受けるもの(結果)は喜びであり、喜びのないものは善とは言えません。 「悲しみ」は不快...
哲学/思想

デカルトの『情念論』(2)第二部・上

(1)のつづき 第二部、諸情念の枚挙と順序立て、および六つの基本情念 51、 情念は、精神(意志)の活動、身体の状態(により生じる脳内の諸印象)、そして基本的にそれらが関わる感覚の対象(感覚される事物)によって、引き起...
哲学/思想

デカルトの『情念論』(1)第一部

概略 第一部は分かりにくいので、先に簡単にまとめておきます。 先ず、精神には能動的なもの(A)と受動的なもの(P)があり、それぞれの対象が非物質的か(1)と物質的か(2)により、大きく四つに分かれます。(A1、A2、P1、P2) ...
哲学/思想

デカルトの『方法序説』『省察』(かんたん版)

妥協なき探究者 非常に優秀な学徒であったデカルトは、真理の探究のために様々な書物を読みあさります。 しかし、当時の人文学(書物、文字による学問)の知識を極めつくした先にあったのは、学者によってただそれぞれ言うことが違うだけの、混沌とした...
哲学/思想

デカルトの『省察』

はじめに 本書の正確なタイトルは、『第一哲学についての省察、神の存在および人間の精神と身体との区別が証明される』です。 神の存在証明、および人間の精神と身体は区別されるべき実体であることの論証を行います。 六つの省察に分か...
哲学/思想

デカルトの『方法序説』

はじめに 本書の正式なタイトルは、『著者の理性を正しく導き、もろもろの学問において真理を求めるための方法の序説、なおこの方法の試みなる屈折光学、気象学および幾何学』(落合太郎訳)です。 要は科学論文(屈折光学、気象学、幾何学)の序文にあ...
芸術/メディア

バラージュの『映画の理論』(5)

(4)のつづき <第二部> 第十三章、映画形式の問題/第十四章、アバンギャルドの形式主義 映画の本質的表現 第一部で明らかにしたのは、映画芸術が独自に獲得した表現方法についてです。 ...
その他

コテンto名著(超かんたん版)

はじめに 時間のない人や長文苦手な人に向けて、古典や名著のエッセンスを短文(150文字以内)でお伝えするおまけのコーナーです。 引用や名言集などではなく、管理人が「こんな風な考えだよ」とまとめたものですので、偉人の言葉とお間違えの無いよ...
芸術/メディア

バラージュの『映画の理論』(4)

(3)のつづき 第十章、編集 モンタージュ 勿論、前章で述べた視点(ショット、部分)の力は、それを取り巻くコンテクスト(全体)に拠ってのみ、意味を持ちます。 絵の中の一筆の色面、音楽の一つの旋律、...
人生/一般

アランの『幸福論』(7)

(6)のつづき 八十二、八十三、八十四、礼儀の力 礼儀というものは、乱暴な情念を鎮めるための体操です。 せっかく与えられたこの短い人生という時を、くだらない情念のせいで無駄にしないための技術です。 礼儀正...
人生/一般

アランの『幸福論』(6)

(5)のつづき 七十二、ロボットたちの口論 普通、私たちの発する言葉には、意味があるものだと考えています。 その人の心にある考えを言葉によって口にするものだ、と。 しかし、大半の言葉はそうではなく、それは何の...
人生/一般

アランの『幸福論』(5)

(4)のつづき 五十五、言葉は状況を作る 環境が知らず知らずのうちにその人の行動を規定するように、言葉も同じ作用を持ちます。 窓のない、薄暗い電灯の、コンクリートで冷えた空間内に居ると、人の心も閉鎖的で、暗...
人生/一般

アランの『幸福論』(4)

(3)のつづき 四十二、四十四、本当の幸福 人間は苦しみを嫌うものだと思われ、そして、苦しみこそが不幸だと思われています。 しかし、そうではありません。 例えば、重い荷を背負って山を登らされる奴隷の苦しみ...