樽の中のネコデゲス

哲学/思想

ロックの『市民政府論(統治論後編)』(4)

(3)のつづき 第十一章、立法権力の範囲について 134 立法権力は政治共同体の最高権力であり、それ以外のいかなる者の命令も、公的に選ばれ任命された立法部の承認なしには、法としての効力も拘束力ももちません。 法律を制定するための絶対...
人生/一般

なぜ正直者は馬鹿を見る(損をする)のか~社会編

(1)のつづき 恐いのは嘘吐きより無知の人 本当の嘘吐きというのは数が限られていますので、それ単体では恐さも限られています。 しかし、嘘吐きと無知な人が結びついた時、世界は嘘で埋め尽くされ、正直者は十字砲火の絶望的な状態の中で孤独な戦...
人生/一般

なぜ正直者は馬鹿を見る(損をする)のか~個人編

三種の人間 まず、人間の知の状態はふたつあります。 ひとつは知識の無い「無知の状態」。 もう一つは知識の有る「有知の状態」。 有知の状態にある人はさらに「正直」と「嘘吐き」という二つの態度に分けられます。 よって人間の知の状態は「...
芸術/メディア

お絵描き技法

※お絵描きの技法について考える、管理人の暇つぶしコーナーです。トップページの目次が長くなりすぎたので分離しました。 光と陰影の構造 🍀 デッサンの意味 🍀 ディフォルメの力 &#x1...
人生/一般

騙される原因と対処法

はじめに 日常では、「騙された」と主張する人と「騙していない」と主張する人の間の諍いが絶えません。 対立が生じる場所には、何らかの矛盾があると考え、それを明らかにすることが、理性による仲裁方法です。 この「騙される」とは、どういうこと...
人生/一般

名前とは何か

名前=存在 事物の存在というものは、基本的にそれに名前を付けることによってはじめて成立します。 なにかある事物が発見された瞬間、個人の頭の中や公けの文書の中などに、必ずそれは言葉として、何らかの形で記されます。 私が認識する「世界」と...
哲学/思想

ロックの『市民政府論(統治論後編)』(3)

(2)のつづき 第八章、政治社会の起源について 95 生来的に自由で平等である人間が自然状態を脱し政治共同体に属するのは、己の合意によってのみであり、同意なしに他者の政治権力に服することはありません。 そして、合意によって結合した一...
哲学/思想

ロックの『市民政府論(統治論後編)』(2)

(1)のつづき 第六章、父権について 52 ーー 53 ここでいう「父権」は便宜的な名称で、実質的には母親を含む「親権」のことです。 54 「全ての人間は生まれながらに平等である(二章四節参照)」と述べましたが、言い換...
哲学/思想

ロックの『市民政府論(統治論後編)』(1)

はじめに 本書『統治論』は前後編の二論に分かれており、前編では聖書解釈についてのフェルマーへの反論がなされ、後編では具体的な政治的統治について語られます。 『市民政府論』とは、主にこの後編を指しています。 第一章、序論 第二章、...
人生/一般

継続とは何か

継続は力 「継続は力なり」などとよく言われます。 様々な文脈で言われるので、その意味するところも色々です。 それら色々な意味の中で主だったものについて、少し考えてみたいと思います。 一、単純な意味での継続 多くの人があることを為そ...
社会/政治

ゴッフマンの『行為と演技』(かんたん版)

自己とは社会役割という仮面(ペルソナ=パーソン) 私たちは、他者の情報を基にして、自分の行動を決定しています。 例えば、相手が王様か乞食かによって、対応は相当変化します。 その反対に、私は自分の意図した通りに、他人に動いて欲しいので、...
社会/政治

ゴッフマンの『行為と演技』(3)

(2)のつづき <第五章、役割外のコミュニケーション> 非公式のコミュニケーション 役割を演ずるという公然と伝達されるコミュニケーションの背後には、それと異なり矛盾する、暗黙のコミュニケーションの流れがあります。 公然(公式、表、役...
社会/政治

ゴッフマンの『行為と演技』(2)

(1)のつづき <第二章、チーム> パフォーマンスチーム パフォーマンスは、個人の性格の表出という部分的な機能に注目されやすく、全体が見過ごされています。 例えば、パフォーマンスが職業的役割のみを表出し、個人的性質を覆い隠すことはよ...
社会/政治

ゴッフマンの『行為と演技』(1)

※本書では「役割 role」「役目 part」「役柄 character」と使い分けられていますが、読みやすくするためにすべて「役割(role,part,character)」として記述しています。 <序章、相互行為> 意図的、...
哲学/思想

パノフスキーの『<象徴形式>としての遠近法』

はじめに 小学一年生のメイちゃんが、はじめて学校で写生をすることになりました。 その際、先生に、学校の校舎を「見えたまま」描くよう、指示されました。 その指示に従い描いたメイちゃんの建物の絵を見て、美大出身の先生が注意しました。 「...
哲学/思想

アリストテレスの形而上学

目的論的自然観 例えば、石を手から離すと、必ず下に落ちます。 まるで石が目的を持って、自分のあるべき場所を目指し、運動しているようです。 これは自然のすべての事物に当てはまります。 それだけでなく、自然の諸事物の形態も、目的を持...
哲学/思想

プラトンのイデア論と弁証法(かんたん版)

現象の世界 私の目の前には、さまざまな事物があります。 目の前の現実に現れる象(かたち)という意味で、それを「現象」と呼びます。 いま目の前に、私の好きな女の子「しずかちゃん」がいたとすれば、「しずかちゃん」が私の目の前に現象として現...
哲学/思想

ソクラテスの問答法

はじめに ソクラテスは、私たちのイメージにあるような本や論文を書くタイプの哲学者ではなく、ただ市中でひたすら様々な人と対話し続けた実践の人です。 書き物は死んだ言葉だとして好まず、生きた言葉の対話によってのみ知の活動を行いました。 ...
哲学/思想

プラトンの『クリトン』

第一幕、クリトンの提案 ソクラテス どうしたのだ、クリトン、こんな時間(夜明け少し前)にやってきて。 ずっとそこにいたのかい? よく看守が通してくれたね。 クリトン いやあ、看守とは顔馴染みで、少しばかりの心付けを渡...
人生/一般

愛とは何か

愛の定義 「愛」という概念の定義付けは、芸術家や宗教家の永遠の課題です。 たぶん、論理理屈だけで説明できる代物ではないので、偉い学者などより、感性や実践を重んじる彼らの方がよく理解できるのでしょう。 理屈だけでは理解できない難物だから...
哲学/思想

プラトンの『ソクラテスの弁明』

はじめに 紀元前399年、ソクラテスは告発され処刑されます。 ソクラテスの新しい思想に脅威を感じた保守派の有力政治家アニュトス、およびその取り巻き(詩人メレトス、弁論家リュコン)によって起こされたものです。 準備された告発の内容は、ソ...
哲学/思想

ニーチェの『道徳の系譜』第二論文~罪と罰、良心と負い目

<第二論文「罪と罰、良心と負い目」> 一、忘却力と記憶力 人間において「忘却」は、非常に能動的な意味をもっています。 それは意識の扉、門番のようなものであり、意識が落ち着いて仕事(高度な機能)をなすための余地と余裕を与えるものです。 ...
哲学/思想

ニーチェの『道徳の系譜』第一論文~よいと悪い

<第一論文、よいと悪い> 二、イギリス心理学者による考察 先行する道徳の歴史家たちには、歴史的精神が欠けており、本質的に非歴史的に考えます。 彼等(イギリスの心理学者)は言います。 「非利己的行為の恩恵に与った人々の側から“よい”と...
人生/一般

人生問題

※人生における日常的な問題を考えるコーナーです。トップページの目次が長くなりすぎたので分離しました。当たり前すぎることを述べているだけなので、斬新な知的発見は皆無です。 問題意識とは何か 🍀 自己責任とは...
人生/一般

運命とは何か

運命は変えられるのか ここで言う「運命」とは、「自由意志」の対概念としてのものです。 「自由意志(以下、意志)」が、自分の意志的な決断による選択の自由を指すなら、「運命」は、あらかじめ自分のなす選択が自分の意志以外のものに強制的に決めら...
哲学/思想

ショーペンハウアーの『意志と表象としての世界』(完全版)

※大著なので暇な時にちょびちょび書きすすめています。 1. 「世界は私の表象である」 経験の形式において最も根本的なものは、主観である私が客観である事物を表象(感覚された対象、心象、想像など私の心に映っている事物像のこと)...
哲学/思想

ショーペンハウアーの『意志と表象としての世界』

カントの「物自体」と「現象」としての世界 あらゆる生物は、自己の持って生まれた認識機能や知覚機能の枠内でしか、世界をとらえられません。 世界に色があるのは眼(色覚)のある動物にっとてだけであり、世界に音があるのは耳のある動物にとって...
心理/精神

アーロン・ベックの『認知療法』(1)理論

<第一章、常識とその彼岸> 患者のジレンマ 精神科の歴史においては、普遍的に共有されるひとつの学説はなく、様々な学派が相争う形になっています。 それは理論的妥当性による争いというより、創始者のカリスマ性やドクマティックな教説による、排...
経済/ビジネス

パーキンソンの『パーキンソンの法則』

仕事と時間の関係 仕事の時間に対する需要(ある仕事を為すために必要な時間量)と、時間の供給量に論理的な関係はありません。 需要は、供給された時間いっぱいにまで膨れ上がる風船のようなものとなります。 仕事の実行のために必要な時間量は計算...
人生/一般

デシの『人を伸ばす力』(かんたん版)

概要 人間の動機には、「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」という二つのものがあります。 動機づけとは、いわゆるモチベーションのことです。 たとえば、好きでランニングをするランナーは、内的な満足のために「内発的動機づけ」で走り、体育で...
人生/一般

スマイルズの『自助論』(かんたん版)

第一章、自助の精神 天は自ら助くる者を助く。 援助は人を弱くし、自立の精神を挫き、自立の欲求すらなくします。 自分で自分を助ける自助の精神こそ、人間を真に助けるものです。 多くの人は自分の力を信じず、国家(国民国家)に頼ろう...
人生/一般

九鬼周造の『「いき」の構造』(かんたん版)

言葉は歴史と文化の反映 言葉というものには、その国の文化と歴史が刻み込まれています。 ひとつの言葉の中には、どうしても他の国の言葉に翻訳できない特殊な意味やつながりが存在しています。 例えば、仏教国であり自然災害国である日本におい...
芸術/メディア

九鬼周造の『「いき」の構造』(通常版)

<第一章、序説> 言語とはその民族の存在の軌跡 言語と民族というものは、密接に関連しています。 ある言語およびその意味内容には、その民族の過去の在り様から現在の在り様までの変遷が記録されています。 使用される言語の中に、その民族の歴...
人生/一般

共感とは何か

共感の条件 管理者(親や教師や上司や先輩など)は、とかく同情や共感というものを語りたがります。 他人の気持ちを理解し行動することが社会性の基礎であり、社会の成員として生きる以上は他人に共感できるように成れ、という訳です。 しかし、...
社会/政治

アンダーソンの『想像の共同体』(2)歴史

(1)のつづき <第四章、クレオールの先駆者たち> アメリカ大陸という特殊な場所 本章では、言語を要因としないナショナリズムとして、アメリカ諸国家について語られます。 言語においては結びついているはずの人々が、何を因子としてその国の...