樽の中のネコデゲス

人生/一般

本物とは何か

人間の本質である「嘘」 人間の定義を裏側から述べれば、"嘘を吐くことのできる動物"と言えます。 嘘を吐くためには、主観と客観を往復したり、過去の記憶から未来を予測したり、言葉や表情など様々な次元のメッセージを駆使したり、動物とは異なるか...
人生/一般

自責とは何か

自責と自己責任 「自責」と「自己責任(自己責任とは何かを参照)」はよく似た言葉ですが、その意味するところは異なります。 「自己責任(self-responsibility)」は、自己が責任(responsibility)の主体であるとい...
哲学/思想

フロムの『正気の社会』(3)第五章後半

(2)のつづき 第五章、資本主義社会における人間(後半) 二節、資本主義の構造と人間の性格(続き) C.20世紀の社会(続き) 2、性格学的変化(続き) c.その他諸々の様相 ●匿名の権威-同調 18世紀および19世紀の権...
哲学/思想

フロムの『正気の社会』(2)第五章前半

(1)のつづき 第五章、資本主義社会における人間(前半) 一節、社会的性格 現代人の精神的健康を考察するには、先ず、社会的な条件が人間に及ぼす影響(いかなる社会様式が人の正気を助長し、また失わせるか)を研究しなければなりません。 こ...
哲学/思想

フロムの『正気の社会』(1)

序章 本書は、『自由からの逃走』の続編です。 人は、自由(主体的責任)の不安から逃走するために、強い指導者や民族や国家に服従する全体主義を望む、ということを述べたのが、『自由からの逃走』です。 二十世紀の民主主義社会においても、別の形...
人生/一般

逆張りとは何か

流行する逆張り 一般に受け入れられている意見に対し、反対の意見(否定、批判、逆説など)を述べることを、通俗的に「逆張り」などと言います。 最近、日本では「逆張り」が流行しており、テレビの毒舌芸人、逆張系のユーチューバー、ディベートで逆説...
社会/政治

メイロウィッツの『場所感の喪失』第二部、印刷から電子へ

第一部のつづき 序章、新しいメディアの登場 新しいメディアは、古いメディアが構築したコミュニケーションの在り方を"変化させる"ことによって、その新しさの効果を発揮します。 印刷機の速さは、写本の遅さによって生じていた情報の独占を解放し...
哲学/思想

山本七平の『「水=通常性」の研究』

(1)のつづき 第一章、水を差す雨 「水を差す」と、「空気」は一瞬にして消失し、人々を現実に引き戻します。 時折降る雨のように、たった一言、誰かが現実の状況を語り、空気によって作り出されていた異常な幻想を霧散させると、人々は酔いが醒め...
哲学/思想

山本七平の『空気の研究/水の研究』(かんたん版)

第一章、「空気」の研究 一節、「空気」とは何か 私たち日本人は「空気を読め」などとよく言います。 一時期その頭文字を取った「KY(ケーワイ)」が流行語ともなりました。 しかし、この「空気」は「文脈を読む」という意味合いが強く、グレゴ...
哲学/思想

山本七平の『「空気」の研究』

※難しいのが苦手な方は、かんたん版をご覧ください。 第一章、「空気」 山本は、教育雑誌の記者に日本の道徳教育についての意見を問われ、概ね以下のようなことを答えます。 日本の道徳は「差別の道徳」であり、「知人(内集団)は助け非知人(外集...
人生/一般

理由とは何か

理由の探求 学問の基本的な目的のひとつが「理由(原因)」を探すことです。 理由が分かれば、何らかの悪い問題を解決したり、物事を良い方向へ操作的に動かしたりすることができます。 例えば、風邪をひきやすい人がいれば、その原因を探すことによ...
人生/一般

人間不信とは何か

人間不信は善くも悪くもない 人間は本質的には善でも悪でもなく、ニュートラルな存在です。 条件次第で悪にもなれば善にもなります。 人間が信じられる存在かどうかも同様、条件次第で変わるものです。 例えば、人を疑うこともなく、また人を騙す...
哲学/思想

論理学とは何か(3)述語論理

(2)命題論理のつづき 第五章、述語論理 一節、述語論理の語彙「個体と述語の記号」 述語論理は命題論理の拡張で、命題を主語と述語に分解し、より詳細に探究するものです。 命題論理の概念やシステムの土台の上に構築されます。 命題論...
哲学/思想

論理学とは何か(2)命題論理

(1)のつづき 第四章、命題論理 一節、命題と真理値(真偽) 先述のように、「命題」とは、真偽を問うことのできる主張をなす文のことです。 命題内容と、それに対応する現実を照合した時に、合っている(事実通りである)ものを「真」、合って...
哲学/思想

論理学とは何か(1)基礎

序章、論理学と推論 「論理学」とは、古代ギリシャの哲学者アリストテレスが、真なる認識を得るために考案した体系的方法です。 後に数学的により形式化され、「記号論理学」となります。 その内、特にアリストテレス論理学に沿う古典的なものが「命...
社会/政治

クラッパーの『マス・コミュニケーションの効果』第二部

第一部のつづき 第六章、暴力的メディア内容がもたらす効果 マスコミの効果に関する人々の大きな関心として、メディアにおける犯罪と暴力の描写が視聴者(特に若年層)に影響を与える、という問題があります。 客観的な統計により、すべてのメディア...
社会/政治

クラッパーの『マス・コミュニケーションの効果』第一部

第一章、イントロダクション 本書で扱われる内容は以下のようなものであり、各章で詳細な考察が展開されます。 1.マス・コミュニケーションは通常、受け手の効果の必要かつ十分な原因として作用するものではない。そうではなくて、マス・コミュニケー...
その他

おススメの映画100選

※個人的に良いと思う名作外国映画を紹介します(順番はテキトーです)。五年前の記事の画像付き版です。暇な時にアップします。ある程度誰でも観ることのできる(いわゆる普通の)映画に絞っています。 <人間っぽいやつ> 『エンジェ...
哲学/思想

バークリの『ハイラスとフィロナスの三つの対話』(3)

(2)のつづき 第三対話 フィロナス おはよう、ハイラス。 よい考えは見付かったかい? ハイラス いえ、ただ虚しさだけがつのっただけです。 人間の意見など不確かで、今日賛成していたことを明日には非難します。 そうやって、...
人生/一般

勝ち組、負け組とは何か

勝ち組と負け組 現代の俗語としての「勝ち組」「負け組」とは、競争社会における社会的地位および経済的地位の優劣を指す言葉です。 勝ち負けは評価基準によって相対的に変化するものですが、この「勝ち組」「負け組」の評価基準は非常に単純で、結果と...
哲学/思想

バークリの『ハイラスとフィロナスの三つの対話』(2)

(1)のつづき 第二対話 ハイラス 遅くなってしまって、申し訳ありません。 昨日のことをずっと考えていて、余裕がなくなってしまいました。 フィロナス いや、それだけ熱心になってくれれば嬉しいよ。 では、早速、考えたことを教...
哲学/思想

バークリの『ハイラスとフィロナスの三つの対話』(1)

はじめに 本書は、バークリの主著である『人知原理論』を、一般の人向けに対話編の形で解説したものです。 大学の構内で、研究員のフィロナスと学生のハイラスが出会うところからはじまります。 第一対話 フィロナス おやよう、ハイラス。 ...
哲学/思想

詭弁とは何か(2)実践

(1)のつづき はじめに 意図的な論理からの逸脱が「詭弁」、非意図的な論理からの逸脱が「誤謬」です。 論理的に非常に見破り難い詭弁とは、裏を返せば、論理的に非常に誤りやすい誤謬であるということです。 本頁では、難しい詭弁(誤謬)から...
哲学/思想

詭弁とは何か(1)基礎

レトリックと詭弁 「レトリック」とは、弁論術、説得術、修辞学などの"言語の表現の技術"を指す、古代ギリシャに由来する概念です。 現代では文学的修辞法のイメージが強いですが、それはレトリックの一部にすぎません。 これはあくまで言語表...
人生/一般

親ガチャとは何か

※ここで述べる家庭環境とは、主にお金と教育を指しています。 親ガチャと子ガチャ 「親ガチャ」とは、生まれる家庭環境の良し悪しの運の要素を、ランダムで商品が出てくる「ガチャポン」や、ランダムでゲーム内のアイテムやキャラなどが獲得できる「ガ...
芸術/メディア

バラージュの『視覚的人間』(2)

(1)のつづき 第五章、クローズアップ 映画のルーペは生組織の個々の細胞を我々の眼の前にもたらし、具体的な生の素材と実体をふたたび我々に感じとらせる。それはきみの手がなでたり打ったりしているのに、少しもきみが注意を払わず気づきもしないそ...
芸術/メディア

バラージュの『視覚的人間』(1)

※ここで述べられる「映画」とは、白黒のサイレント映画のことです。 第一章、視覚的人間 印刷術の発明によって、伝達手段は言語を通したものが中心となり、視覚の文化は概念の文化に変わり、精神は見られるものから読まれるものとなりました。 それ...
芸術/メディア

アルンハイムの『芸術としての映画』(3)映画の進化

(2)のつづき 第三章、映画の内容 身体を通しての心(精神) 映画がその表現のために使用する材料は、物質的対象と自然の出来事のみです。 その中でも人間の顔と身体の動きを手段にした、精神(思考や感情)の表現は、最も直接的で分かりやすい...
芸術/メディア

アルンハイムの『芸術としての映画』(2)限界の芸術的利用

(1)のつづき 第二章、映画の制作 1.本章の目的 映画は現実の出来事の機械的な記録への欲求から生じたもので、その関心は主題の「内容(何が描かれているか)」でしたが、映画が芸術になり始めると、映画だけの特別な手法によって対象を表現した...
哲学/思想

パースのプラグマティズム(2)

(1)のつづき 四つの能力の否定 パースは、西洋近代哲学の基礎であるデカルト主義(先天的方法)が前提としていた人間に備わる四つの能力を否定することで、自身の反デカルト的、反近代哲学的立場を明らかにします。 自己(認識主体)が自己の精神...
哲学/思想

パースのプラグマティズム(1)

プラグマティズムとは プラグマティズムはアメリカを代表する哲学であり、チャールズ・サンダース・パースがその創始者です。 一般的な「プラグマティズム」という言葉は、アメリカ人特有の単なる実利重視の「実用主義」と考えられています。 しかし...
人生/一般

逃げとは何か

逃げちゃダメ? 他人に対して「逃げるな」と言ったり、自分に対して「逃げちゃダメだ」と言ったり、人間は非常に逃げることに対して敏感です。 動物は危険や面倒を察知すれば躊躇なく逃げますが、人間には妙な自尊心や、漫画のヒーローのように危険や面...
哲学/思想

パースのアブダクション

三つの推論形式 チャールズ・サンダース・パースは、伝統的な推論の形式、科学的手続きである「インダクション(帰納法)」「ディダクション(演繹法)」に対し、もう一つの形式「アブダクション」を加えることを提唱します。 帰納法(インダクション)...
哲学/思想

ジェームズの『信じる意志』(かんたん版)

信じるべきか疑うべきか 本書の主題は、信じるべき(信仰)か疑うべき(懐疑)か、という問いです。 純粋に知的な問題であれば、目の前の選択肢のどちらを選ぶべきか(信じるべきか)を、充分な証拠が得られるまで疑い、確証を得た上で、そちらを信じれ...
哲学/思想

ジェームズの『信じる意志』(2)

(1)のつづき 第八章、科学的問題 所信の選択において、感情の影響は不可避であると同時に、合法的な決定因です。 所信の選択の最も基本的な最初の段階で、前章で述べた「真理を獲得する」か「誤謬を避ける」かという感情的な影響があります。 ...