樽の中のネコデゲス

心理/精神

エリスの論理療法(論理情動行動療法)

※抽象的で分かりにくい場合は、先に一番下の見出しの「具体例」から読んでください。 ABC理論 アルバート・エリスの生み出した心理療法である「論理療法(あるいは論理情動行動療法)」の基礎となるのが、「ABC理論」です。 「A」は「出...
心理/精神

行動主義心理学とは何か(1)古典的条件付け

古典的条件付け これは有名なパブロフの犬の実験を基にして生まれた理論です(この発展が次項で述べるスキナーのオペラント条件付けです)。 イワン・パブロフは高名な生理学者です。 本来は消化線の研究として観察されていた犬の唾液分...
芸術/メディア

バラージュの『映画の理論』(3)

(2)のつづき 第九章、変化する視点 映画における世界観 演劇や絵画の場合は視点は固定され、ひつとの遠近法において眺められるだけです。 それに対し、映画は視点を自由に変化させることができ、映画作家...
人生/一般

優しさとは何か

優しさの語源 「優しい」という言葉の語源「やさし (優し・恥し)」の意味は、「痩せるほどつらい、肩身が狭い、気恥ずかしい、慎み深い、優美だ、しとやかだ、おとなしい、けなげだ」などという状態を指す形容詞です。 さらに言えば、痩...
哲学/思想

真木悠介の『時間の比較社会学』

<序章、時間意識と社会構造> 第一節、時間のニヒリズム 一般に私たちは死に対する恐怖、永遠の時間に対する短き生に虚無を感じています。 死あるがゆえの生の虚しさは、決して避けることの出来ない真理であると思われてい...
芸術/メディア

バラージュの『映画の理論』(2)

(1)のつづき 第五章、視覚的人間 印刷術の発明によって、人間の表情や身振りなどの視覚情報によるメッセージの伝達方法は廃れていきます。 見る精神は読む精神となり、視覚の文化は概念の文化へと変容します。 それに...
芸術/メディア

バラージュの『映画の理論』(1)

<第一部> 第一章、理論のススメ 映画は他の芸術よりも大衆の心を動かす強い力を持ちます。 抗することのできない自然力に対するために自然科学が生じたように、映画のその強い力に対するためにそれを理論的に研究せねばな...
芸術/メディア

光とは何か

その一、明暗 1、 初めに世界があった。しかし、何にも存在しない暗黒の宇宙です。 2、 神様は何かモノを創ろうとして、とりあえず白いボールを創りました。 しかし、真っ暗で何も見えません。 3、 ...
哲学/思想

三木清の『パスカルにおける人間の研究』(3)賭け

(2)のつづき <第二章、賭け> 第一節 人間は関心によって絶えず運動する存在であり、それは常に途上にある求め続ける存在です。 途上である限り、必然的に「何処から来て何処へ行くのか」と反省的に訊ね...
哲学/思想

仏教哲学とは何か(4)今を生きる

(3)のつづき 今とは何か 仏教では「今を生きる」ということをしきりに説きます。 今この瞬間、この時こそが実在であり、未来や過去は想像によって生み出された煩いの種でしかないと。 しかし、「瞬間」とは一体なんで...
哲学/思想

三木清の『パスカルにおける人間の研究』(2)人間の分析・下

(1)のつづき 尉戯による世界への堕落は、同時に生が想像世界へと堕落することを意味します。 尉戯の先には常に想像によって作られた的があり、それに対し情熱を燃やし欲望を向けます。 「われわれは、自分のなか、自分自身の...
哲学/思想

三木清の『パスカルにおける人間の研究』(1)人間の分析・上

※これはパスカルについて書かれた本というより、パスカルを介したハイデガー入門(ハイデガー哲学で解釈したパスカル)です。 <第一章、人間の分析> 第一節 パスカルの思想の主題となるものは人間です。 人間と言...
哲学/思想

仏教哲学とは何か(3)諦観と安心

(2)のつづき 「ありがとう」と「おかげさま」 前項までで、一応、原理的なことは説明し終えましたが、抽象的で少し分かりにくかったと思います。 ここからは日常経験やマンガや流行歌などによって、それらをもっと具体的...
哲学/思想

仏教哲学とは何か(2)存在という幻想

(1)のつづき 存在の恣意性 世界という全体から「あるもの」を切り出してくることが、その存在を生成させると、前項で述べましたが、この切り出し方というものは、かなり恣意的(自分勝手)なものです。 例えば、私た...
哲学/思想

仏教哲学とは何か(1)存在の本質

はじめに 本項は仏教を理屈でかつ分かりやすく解説することが目的です。 専門用語は可能な限り使わず、具体例に即したものにします。 仏教哲学とは仏教の哲学的な解釈です。 対象となる仏教および解釈する哲学によってその内容は変わ...
経済/ビジネス

メイヨー&レスリスバーガーのホーソン実験

ホーソン実験とは 管理者および物理的な環境やシステムを重視するテイラーの科学的管理法を反証するように、能率というものが労働者個人の意志のあり様や個人的な人間関係に強い影響を受けるということを明かした実験です。 それまでの非人間的な経営管...
芸術/メディア

ディフォルメとは何か

ディフォルメとは何か 「ディフォルメ(仏:deformer)」とは、「~を変形させる、~の形をゆがめる」などという意味の言葉です。 主に美術の領域では、意図的な変形によって何らかのものを表現する際に使われる言葉です。 ここ...
経済/ビジネス

テイラーの『科学的管理法の原理』(3)方法

(2)のつづき 手法ではなく、管理の哲学の刷新 管理者は、作業改善の責任が自分にあるという事を自覚せねばなりません。 現場(労働者)の経験則に頼るのではなく、経験を一般化しまとめ、法則を探り出し、それを仕事に生...
経済/ビジネス

テイラーの『科学的管理法の原理』(2)実例

(1)のつづき 銑鉄(せんてつ)運搬作業における実例 四十キロの鉄塊を運ぶ作業があります。 日給は1ドルで、作業員は平均一人あたり一日10トン運びます。 しかし中には一日50トンも運ぶ優秀な作業員がいます。 ...
経済/ビジネス

テイラーの『科学的管理法の原理』(1)原則

<序章> 本書のねらい 形のある目に見えるモノの無駄は認識されやすいので、人間に強い反省を促します。 しかし、形の残らない人間行動の無駄を認識するには、記憶や想像によって推理しなければなりません。 モノの浪費...
哲学/思想

プラトンの『ゴルギアス』(5)終幕

(4)のつづき 終幕(507d~527e) ソクラテス 私の述べたいことは以上になる。 賢者たちの言うところでは、天も地も、神も人も、すべてを結びつけるものは秩序や節度なのだ。 なぜ彼らが宇宙をコスモス(調...
哲学/思想

プラトンの『ゴルギアス』(4)カリクレス編・下

(3)のつづき ソクラテス 君は欲望の無制限の解放が人間の徳であり幸福であると言う。 しかし、過去の賢者たちは、満たされて欲望を持つ必要のない充足した状態を幸福だと言う。 これは間違いかね。 カリクレス ...
哲学/思想

プラトンの『ゴルギアス』(3)カリクレス編・上

(2)のつづき <第三幕、対カリクレス戦(481c~507c)> カリクレス ちょっと待ってくれ、ソクラテス。 あなたはそれを本気で言っているのか?それとも何かの冗談か? われわれ人間の現実の生き方は、あな...
哲学/思想

プラトンの『ゴルギアス』(2)ポロス編

(1)のつづき ポロス どちらにしろ、独裁者のような力を持つ彼らを羨ましいとは思わないのですか? ソクラテス 惨めな人達に対しては、羨みではなく、憐れみが必要なのだ。 ポロス 憐れなのは、不正に死刑に...
哲学/思想

プラトンの『ゴルギアス』(1)ゴルギアス編

哲学者とソフィスト 「フィロソフィア(哲学者)」は英語で「philo(愛)+sophy(知)+er(人)」、「ソフィスト」は「sophi(知)+ist(人)」です。 「哲学者」とは知を愛する者、「ソフィスト」は知の専門家(知...
芸術/メディア

アリストテレスの『詩学』(かんたん版)

創作の起源 本書の主題は「詩作」ですが、語義的にそれは芸術的な「創作」に近いものです。 アリストテレスはその創作の基本を物事の「再現(模倣、描写)」と考えます。 人間には生来的に再現を好む傾向があり、それは人々が実際の風景より精巧...
社会/政治

メイロウィッツの『場所感の喪失』第一部(2)

(1)のつづき 1-3 メディアの変化と役割の変化 社会的な地位というものは情報フローのパターンによって規定されます。 同一の地位にある人達は同じような状況(情報システム)に、異なる地位にある人は異なる状...
社会/政治

メイロウィッツの『場所感の喪失』第一部(1)

1-1 メディアと行動 既存のメディア論の大半は、メッセージ内容を主題としたものであり、各メディア相互の差異やメディア自体が持つ可能性は見落とされています。 メッセージ内容ではなく、それを取り巻く状況や受け手の主体性か...
科学/自然

ユクスキュルの『生物から見た世界』(かんたん版)

生物によって違う感覚機能 生物はそれぞれ独自の感覚機能を持っています。 人間であればいわゆる五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)と呼ばれるものです。 当然、生物によってはその機能の数や種類や質が違い、人間と違って視覚や聴覚の無い生物も...
社会/政治

リースマンの『孤独な群集』三つの社会的性格

性格と社会 社会的性格(キャラクターの意)とは、「イタリア人は陽気、日本人は真面目、アメリカ人は実利的」などと言われるような、その社会の成員が一般的にもつ性格特性を表したものです。 社会的性格は、その社会が必要とする...
芸術/メディア

柄谷行人の『日本近代文学の起源』構成力について

(2)のつづき 構成力について(没理想論争) 一、 日本の近代以前の文学には、何か深みというものが無いように思えます。 しかし、別に江戸時代の人々が深いことを考えていなかったという訳ではあ...
芸術/メディア

柄谷行人の『日本近代文学の起源』告白という制度

(1)のつづき 告白という制度 一、 告白という形式と日本の近代文学の成立は並行します。 告白は告白されるべき「内面」を生じさせます。 告白という形式の文学作品(表現されたもの)と、告白...
芸術/メディア

柄谷行人の『日本近代文学の起源』風景の発見

風景の発見 一、 「文学」という観念は相対的なものであるのですが、その中にいる限りなかなかそれに気付くことができません。 漱石の学んだ英文学の普遍性への疑いは、それが決して経験に先立つアプリオリなもので...
哲学/思想

ニーチェの積極的ニヒリズム

積極的ニヒリズムと消極的ニヒリズム 若い頃のニーチェが心酔したショーペンハウアーの哲学(消極的ニヒリズム)を乗り越えるために持ち出された概念が「積極的ニヒリズム」です。 対決しようとする「消極的ニヒリズム」の病因はプラトンに始まるヨーロ...
哲学/思想

ライプニッツのモナド(かんたん版)

モナドとは何か 物質的な原子というものは、それ以上分割不可能な存在、世界の究極的な構成要素と考えられていました。 しかし、物質が分割不可能なのは、現時点での技術的な限界か定義によるものです。 いかに小さくとも何らかの空間的広がりを持つ...