樽の中のネコデゲス

哲学/思想

仏教哲学とは何か(2)存在という幻想

(1)のつづき 存在の恣意性 世界という全体から「あるもの」を切り出してくることが、その存在を生成させると、前項で述べましたが、この切り出し方というものは、かなり恣意的(自分勝手)なものです。 例えば、私た...
哲学/思想

仏教哲学とは何か(1)存在の本質

はじめに 本項は仏教を理屈でかつ分かりやすく解説することが目的です。 専門用語は可能な限り使わず、具体例に即したものにします。 仏教哲学とは仏教の哲学的な解釈です。 対象となる仏教および解釈する哲学によってその内容は変わ...
経済/ビジネス

メイヨー&レスリスバーガーのホーソン実験

ホーソン実験とは 管理者および物理的な環境やシステムを重視するテイラーの科学的管理法を反証するように、能率というものが労働者個人の意志のあり様や個人的な人間関係に強い影響を受けるということを明かした実験です。 それまでの非人間的な経営管...
芸術/メディア

ディフォルメとは何か

ディフォルメとは何か 「ディフォルメ(仏:deformer)」とは、「~を変形させる、~の形をゆがめる」などという意味の言葉です。 主に美術の領域では、意図的な変形によって何らかのものを表現する際に使われる言葉です。 ここ...
経済/ビジネス

テイラーの『科学的管理法の原理』(3)方法

(2)のつづき 手法ではなく、管理の哲学の刷新 管理者は、作業改善の責任が自分にあるという事を自覚せねばなりません。 現場(労働者)の経験則に頼るのではなく、経験を一般化しまとめ、法則を探り出し、それを仕事に生...
経済/ビジネス

テイラーの『科学的管理法の原理』(2)実例

(1)のつづき 銑鉄(せんてつ)運搬作業における実例 四十キロの鉄塊を運ぶ作業があります。 日給は1ドルで、作業員は平均一人あたり一日10トン運びます。 しかし中には一日50トンも運ぶ優秀な作業員がいます。 ...
経済/ビジネス

テイラーの『科学的管理法の原理』(1)原則

<序章> 本書のねらい 形のある目に見えるモノの無駄は認識されやすいので、人間に強い反省を促します。 しかし、形の残らない人間行動の無駄を認識するには、記憶や想像によって推理しなければなりません。 モノの浪費...
哲学/思想

プラトンの『ゴルギアス』(5)終幕

(4)のつづき 終幕(507d~527e) ソクラテス 私の述べたいことは以上になる。 賢者たちの言うところでは、天も地も、神も人も、すべてを結びつけるものは秩序や節度なのだ。 なぜ彼らが宇宙をコスモス(調...
哲学/思想

プラトンの『ゴルギアス』(4)カリクレス編・下

(3)のつづき ソクラテス 君は欲望の無制限の解放が人間の徳であり幸福であると言う。 しかし、過去の賢者たちは、満たされて欲望を持つ必要のない充足した状態を幸福だと言う。 これは間違いかね。 カリクレス ...
哲学/思想

プラトンの『ゴルギアス』(3)カリクレス編・上

(2)のつづき <第三幕、対カリクレス戦(481c~507c)> カリクレス ちょっと待ってくれ、ソクラテス。 あなたはそれを本気で言っているのか?それとも何かの冗談か? われわれ人間の現実の生き方は、あな...
哲学/思想

プラトンの『ゴルギアス』(2)ポロス編

(1)のつづき ポロス どちらにしろ、独裁者のような力を持つ彼らを羨ましいとは思わないのですか? ソクラテス 惨めな人達に対しては、羨みではなく、憐れみが必要なのだ。 ポロス 憐れなのは、不正に死刑に...
哲学/思想

プラトンの『ゴルギアス』(1)ゴルギアス編

哲学者とソフィスト 「フィロソフィア(哲学者)」は英語で「philo(愛)+sophy(知)+er(人)」、「ソフィスト」は「sophi(知)+ist(人)」です。 「哲学者」とは知を愛する者、「ソフィスト」は知の専門家(知...
芸術/メディア

アリストテレスの『詩学』(かんたん版)

創作の起源 本書の主題は「詩作」ですが、語義的にそれは芸術的な「創作」に近いものです。 アリストテレスはその創作の基本を物事の「再現(模倣、描写)」と考えます。 人間には生来的に再現を好む傾向があり、それは人々が実際の風景より精巧...
社会/政治

メイロウィッツの『場所感の喪失』第一部(2)

(1)のつづき 1-3 メディアの変化と役割の変化 社会的な地位というものは情報フローのパターンによって規定されます。 同一の地位にある人達は同じような状況(情報システム)に、異なる地位にある人は異なる状...
社会/政治

メイロウィッツの『場所感の喪失』第一部(1)

1-1 メディアと行動 既存のメディア論の大半は、メッセージ内容を主題としたものであり、各メディア相互の差異やメディア自体が持つ可能性は見落とされています。 メッセージ内容ではなく、それを取り巻く状況や受け手の主体性か...
科学/自然

ユクスキュルの『生物から見た世界』(かんたん版)

生物によって違う感覚機能 生物はそれぞれ独自の感覚機能を持っています。 人間であればいわゆる五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)と呼ばれるものです。 当然、生物によってはその機能の数や種類や質が違い、人間と違って視覚や聴覚の無い生物も...
社会/政治

リースマンの『孤独な群集』三つの社会的性格

性格と社会 社会的性格(キャラクターの意)とは、「イタリア人は陽気、日本人は真面目、アメリカ人は実利的」などと言われるような、その社会の成員が一般的にもつ性格特性を表したものです。 社会的性格は、その社会が必要とする...
芸術/メディア

柄谷行人の『日本近代文学の起源』構成力について

(2)のつづき 構成力について(没理想論争) 一、 日本の近代以前の文学には、何か深みというものが無いように思えます。 しかし、別に江戸時代の人々が深いことを考えていなかったという訳ではあ...
芸術/メディア

柄谷行人の『日本近代文学の起源』告白という制度

(1)のつづき 告白という制度 一、 告白という形式と日本の近代文学の成立は並行します。 告白は告白されるべき「内面」を生じさせます。 告白という形式の文学作品(表現されたもの)と、告白...
芸術/メディア

柄谷行人の『日本近代文学の起源』風景の発見

風景の発見 一、 「文学」という観念は相対的なものであるのですが、その中にいる限りなかなかそれに気付くことができません。 漱石の学んだ英文学の普遍性への疑いは、それが決して経験に先立つアプリオリなもので...
哲学/思想

ニーチェの積極的ニヒリズム

積極的ニヒリズムと消極的ニヒリズム 若い頃のニーチェが心酔したショーペンハウアーの哲学(消極的ニヒリズム)を乗り越えるために持ち出された概念が「積極的ニヒリズム」です。 対決しようとする「消極的ニヒリズム」の病因はプラトンに始まるヨーロ...
哲学/思想

ライプニッツのモナド(かんたん版)

モナドとは何か 物質的な原子というものは、それ以上分割不可能な存在、世界の究極的な構成要素と考えられていました。 しかし、物質が分割不可能なのは、現時点での技術的な限界か定義によるものです。 いかに小さくとも何らかの空間的広がりを持つ...
哲学/思想

ライプニッツのモナド(4)神と善

(3)のつづき 神の本質 では、これらすべてを含む神は、どういうものであるかというと、それは、現実的にあらゆる可能性を含んだ存在であり、かつそこからあらゆる可能な述語(観念)を導出することの出来る存在です...
人生/一般

問題意識とは何か

問題意識 社会に出て働き出すと、職場の先輩や上司は例外なく「問題意識を持て」などと言います。 世界平和や飢えた子供を救うというような大きな問題解決を仕事にする人ならまだしも、私達のような普通の仕事、毎日定食を作ったり、荷物を...
哲学/思想

ライプニッツのモナド(3)モナドと予定調和

(2)のつづき 実体の唯一性 ライプニッツは実体を「非物質的な原子」のようなものとして捉えます。 さらに物理的な原子は相互に均一で限られた数しか存在しないのに対し、ライプニッツのそれは世界中に同じものが...
哲学/思想

ライプニッツのモナド(2)理由律と真理

(1)のつづき 矛盾律(モナドロジー31節) ライプニッツは人間の思考の二つの原理として、「矛盾律(矛盾の原理)」と「充足理由律(理由の原理)」を挙げます。 例えば、命題「この餅は白い」とその否定命...
経済/ビジネス

本田健の『ユダヤ人大富豪の教え』(2)

(1)のつづき 第五の秘訣、セールスの達人になる 人が物を買う理由は、その商品そのものの価値からだけではありません。 その商品の価値だけでは売れない場合は、付加的な価値というものを考える必要があります。...
経済/ビジネス

本田健の『ユダヤ人大富豪の教え』(1)

第一の秘訣、社会の成り立ちを知る 一般人は、お金持ちになるためには、一生懸命はたらくというイメージを持っています。 しかし、報酬額というのは、努力の量や労働の時間が決定するのではなく、「その人が提供したサービスの質と...
哲学/思想

ライプニッツのモナド(1)統覚と微小表象

モナド モナドの定義とは、“部分を持たない単純な実体”です。 ギリシャ語のモナス(一なるもの)を語源とし、モナドロジーは『単子論』とも訳出されています。 単子というと、物理学の原子と似たようなイメージで捉えられてし...
芸術/メディア

想像とは何か

注、本項は以前書いた「オリジナルとは何か」を発展させたもので、内容が重複しています。 現実の本質 SF映画によくあるように、私の全ての記憶を消去されたとします。 そして、私は部屋で目覚めます。 その時、最初に私の眼に映ったものは、「...
芸術/メディア

芸術家(職業)とは何か

食えない芸術家(日本の場合) 「芸術家は食えない」とよく言われます。 プロ(その道一本で食っていける)の芸術家と呼ばれる人も、大半が教えること(教育者)としての収入であり、純粋に自分の作品によるものではありません。 ...
芸術/メディア

デッサンとは何か

はじめに ここで言うデッサンとは、パースの正確なホンモノのような絵のことです。 石膏像で訓練するようないわゆる受験絵のデッサンであり、それを通して絵画における表現と技術の基本的な問題を考察します。 表現...
心理/精神

アドラーの個人心理学(3)

(2)のつづき 共同体感覚を生む三つの要素 以上のような共同体感覚を得るためには、重要な三つの要素があります。 「自己の受容」「他者の信頼」「他者への貢献」です。 まずひとつめの自己受容から説明してい...
心理/精神

アドラーの個人心理学(2)

(1)のつづき 人生の課題 アドラーは明確に治療の目標(精神的健康)となるような人間のあり方を提示します。 それは行動面で社会的に自立しつつ、心理面では自信をもつ(自分を信じる)ことです。 自立は必然...
心理/精神

アドラーの個人心理学(1)

伝統的な目的論 「人間は行動の選択において、常にその人にとって最良の選択をしている。もし、それがその人にとって悪い結果を導くなら、それは無知によるものである」 これはプラトンにはじまるひとつの人間観であり、形を変えな...