樽の中のネコデゲス

人生/一般

文脈とは何か

たとえ話天体としての地球の軌道を問うと、多くの人は、円運動(公転)だと答えます。しかし、それは太陽系という極めて小さな範囲に限定した場合の動きでしかありません。実際の地球は、自転しつつ公転しているだけではなく、太陽系自体が銀河系内を回転して...
人生/一般

現実とは何か(2)

(1)のつづき第二章、現実(幻想)とどう関わるか夢幻泡影の現実つい80年前までの日本は、天皇陛下は神様でお国のために死ぬのが当然だった世界です。現代でも飛行機で半日ほど飛べば、昔話に書かれた聖なる岩の争奪戦の為に国をあげての激しい戦争が行わ...
人生/一般

現実とは何か(1)

はじめに最近、「現実と虚構の違いが分からない」という意見をよく耳にします。そこで「現実」とは何なのかを少し考えてみます。まず、代表的な現実のとらえ方を紹介した後、どう現実と関わるべきかを考察します。ちなみに、当頁で述べる「現実」は「現実世界...
哲学/思想

ベルクソンの『時間と自由』(かんたん版)

概要本書『時間と自由』の原題は『意識に直接与えられたものについての試論』です。人間は、意識に直接与えられた経験を、理性的に再構成(再解釈)した間接的な経験に変換した上で捉え、いつの間にか後者に束縛されて前者を忘却してしまうという事実を訴える...
哲学/思想

ベルクソンの『時間と自由』第三章

二章のつづき第三章、意識の諸状態の有機的統合について(自由)第一節、物理的決定論自由の問題は、機械論(mecanisme)と力動説(dynamisme)」の間で対立し争われています。【ミニ解説】「機械論」は世界の現象を機械論的原理の下に収め...
日記

わが愛猫

当サイト管理人は趣味兼副業でシルバージュエリーを制作しております。先日、小さな美術館の催事のハンドメイドマルシェに出店してきました。そこで我が愛猫のチビクロサン(2016年12月24日産まれの8歳)に警備猫をやってもらいました。黒人ラッパー...
哲学/思想

ベルクソンの『時間と自由』第二章

一章のつづき第二章、意識の諸状態の多様性について(時間)一節、数的多数性と空間「数」は、一と多の総合、単位の集合です。単位は、相互に同一なものであると仮定されており、個体の差異は無視し、共通のもののみ考慮します。個体の特徴に注視するなら、総...
人生/一般

自殺願望とは何か

隠れた願望の手段としての自殺願望「自殺願望」とは、自ら死を望むことです。しかし、重い病気から安楽死を望むようなごく一部の人を除き、「自殺願望」を持つ人は本当は死を望んではいません。死はあくまで手段であり、真の望みは別の所にあります。例えば、...
芸術/メディア

サイレント漫画とは何か

サイレント漫画とは狭義にはセリフ、ナレーションや説明文、オノマトペ(擬音語・擬態語)など一切の文字が無いものですが、厳密な定義はないので、セリフ以外のものはある程度存在してもサイレント漫画と言っても問題ないと思います。「サイレント」には、「...
哲学/思想

ベルクソンの『時間と自由』第一章

第一章、心理的諸状態の強度についてはじめに(まとめ)非常に分かりにくい章なので、長いですが最初にまとめておきます。心の諸々の状態の「強さ」には、直接体感している「質的強さ」と、間接的に計量された「量的強さ」があり、私たちは多くの場合、質的強...
日記

雑記「何で樽の中の猫か」

管理人のネーム「樽の中のネコデゲス」は、樽の中に住んだ浮浪哲学者の「樽のディオゲネス」と「野良猫」をかけた名前です。アカデミズムとは正反対の浮浪者と野良猫のようなゆる~いポジションから、アカデミズムの代名詞ともいえる古典名著について情報発信...
人生/一般

コミュ力・コミュ障とは何か

偽物のコミュ力(偽装されたコミュ障)日本における特殊なコミュ二ケーションを語る前に、一般的なコミュニケーション能力にまつわる一つの問題を考えておく必要があります。多くの場合、ジャイアン的な人(いわゆるDQN)はコミュニケーション能力が高く、...
人生/一般

コスパ・タイパとはなにか

社会の変化と共に変わりゆく人格人間は社会的存在です。良く言えば、個々の成員は、社会という巨大な船のいち乗組員として活躍します。悪く言えば、社会という巨大な機械のいち歯車です。ですから、その社会がいかなる政治・経済・宗教的体制などを採るかによ...
哲学/思想

フロムの『正気の社会』(かんたん版)

精神の健康とは当時、精神の健康(メンタルヘルス)についての定義は、概ね二つの極に分かれていました。ひとつは、社会適応を基準に考えるものであり、社会に上手く適応している社会適合者は精神的に健康で、不適応状態にある人は不健康で精神的病を発症する...
人生/一般

定義とは何か

定義とは定義とは、明確に定められた(限定された)ある言葉(概念)の意味・内容のことです。例えば、三角形の定義(明確な意味)は、「三本の直線で囲まれた形」で、正三角形の定義は、「三本の同じ長さの直線で囲まれた形」です。ですから、国語辞典はその...
哲学/思想

フロムの『正気の社会』(通常版)

※長文が苦手な方は『正気の社会』(かんたん版)をご覧ください。はじめに本書は名著『自由からの逃走』の続編であり、エーリック・フロム第二の主著です。マルクスの疎外論を基に現代資本主義の病理を暴き出す内容であるため、時代に合わず、日本では長い間...
人生/一般

信念とは何か

信念≒真実の世界本頁で述べる「信念」とは、その人が「信じている事柄」を指しています。例えば、私は「地球は丸い」という信念をもっています。世界の物事を徹底的に疑う立場を懐疑論といいますが、懐疑論的に言えば「信念」と「真実」はニアリーイコール(...
哲学/思想

フロムの『正気の社会』(4)第六章~第八章

(3)のつづき※第六章では、一九世紀および二十世紀の学者や思想家による現代資本主義社会の診断(批判的分析)が引用中心に紹介され、第七章では、その問題に対する解答としての「偶像崇拝的権威主義(ファシズム、ナチズム、スターリニズム)」「超資本主...
人生/一般

感想とは何か

はじめに「それってあなたの感想ですよね」という言葉が、2022年末発表の小学生の流行語ランキング1位となりました。ちなみに、この言葉の後には「なんかそういうデータあるんですか?」が、続きます。これは2015年の討論番組における西村博之氏の発...
人生/一般

スランプとは何か

成功と失敗スランプとは、今まで当たり前に成功していたことが、急に失敗しか"できなくなる"状態です。まずはスランプのベースとなる、成功と失敗の問題について考えます。「失敗は成功の母」と言われるように、失敗と成功は表裏一体の関係にあります。人は...
人生/一般

お金とは何か

はじめに社会というものは、人と人との間に物やサービスなどの「交換」が始まる時に成立します。そして、よりこの「交換」を便利にするものが貨幣であり、貨幣の成立は社会にとってほぼ必然といえます。現代において世間一般に流布している基本的な貨幣観は、...
人生/一般

本物とは何か

人間の本質である「嘘」人間の定義を裏側から述べれば、"嘘を吐くことのできる動物"と言えます。嘘を吐くためには、主観と客観を往復したり、過去の記憶から未来を予測したり、言葉や表情など様々な次元のメッセージを駆使したり、動物とは異なるかなり高度...
人生/一般

自責とは何か

自責と自己責任「自責」と「自己責任(自己責任とは何かを参照)」はよく似た言葉ですが、その意味するところは異なります。「自己責任(self-responsibility)」は、自己が責任(responsibility)の主体であるということ(...
哲学/思想

フロムの『正気の社会』(3)第五章後半

(2)のつづき第五章、資本主義社会における人間(後半)二節、資本主義の構造と人間の性格(続き)C.20世紀の社会(続き)2、性格学的変化(続き)c.その他諸々の様相●匿名の権威-同調18世紀および19世紀の権威は、合理的-不合理的(第五章二...
哲学/思想

フロムの『正気の社会』(2)第五章前半

(1)のつづき第五章、資本主義社会における人間(前半)一節、社会的性格現代人の精神的健康を考察するには、先ず、社会的な条件が人間に及ぼす影響(いかなる社会様式が人の正気を助長し、また失わせるか)を研究しなければなりません。この研究の際、特定...
哲学/思想

フロムの『正気の社会』(1)第一章~第四章

※時間がない方は要約した『正気の社会』(通常版)をご覧ください。序章本書は、『自由からの逃走』の続編です。人は、自由(主体的責任)の不安から逃走するために、強い指導者や民族や国家に服従する全体主義を望む、ということを述べたのが、『自由からの...
人生/一般

逆張りとは何か

流行する逆張り一般に受け入れられている意見に対し、反対の意見(否定、批判、逆説など)を述べることを、通俗的に「逆張り」などと言います。最近、日本では「逆張り」が流行しており、テレビの毒舌芸人、逆張系のユーチューバー、ディベートで逆説を駆使す...
社会/政治

メイロウィッツの『場所感の喪失』第二部、印刷から電子へ

第一部のつづき序章、新しいメディアの登場新しいメディアは、古いメディアが構築したコミュニケーションの在り方を"変化させる"ことによって、その新しさの効果を発揮します。印刷機の速さは、写本の遅さによって生じていた情報の独占を解放し、宗教改革と...
哲学/思想

山本七平の『「水=通常性」の研究』

(1)のつづき第一章、水を差す雨「水を差す」と、「空気」は一瞬にして消失し、人々を現実に引き戻します。時折降る雨のように、たった一言、誰かが現実の状況を語り、空気によって作り出されていた異常な幻想を霧散させると、人々は酔いが醒め、通常性へと...
哲学/思想

山本七平の『空気の研究/水の研究』(かんたん版)

第一章、「空気」の研究一節、「空気」とは何か私たち日本人は「空気を読め」などとよく言います。一時期その頭文字を取った「KY(ケーワイ)」が流行語ともなりました。しかし、この「空気」は「文脈を読む」という意味合いが強く、グレゴリー・ベイトソン...
哲学/思想

山本七平の『「空気」の研究』

※難しいのが苦手な方は、かんたん版をご覧ください。第一章、「空気」山本は、教育雑誌の記者に日本の道徳教育についての意見を問われ、概ね以下のようなことを答えます。日本の道徳は「差別の道徳」であり、「知人(内集団)は助け非知人(外集団)は助けな...
人生/一般

理由とは何か

理由の探求学問の基本的な目的のひとつが「理由(原因)」を探すことです。理由が分かれば、何らかの悪い問題を解決したり、物事を良い方向へ操作的に動かしたりすることができます。例えば、風邪をひきやすい人がいれば、その原因を探すことによって健康な生...
人生/一般

人間不信とは何か

人間不信は善くも悪くもない人間は本質的には善でも悪でもなく、ニュートラルな存在です。条件次第で悪にもなれば善にもなります。人間が信じられる存在かどうかも同様、条件次第で変わるものです。例えば、人を疑うこともなく、また人を騙すこともない純粋無...
哲学/思想

論理学とは何か(3)述語論理

(2)命題論理のつづき第五章、述語論理一節、述語論理の語彙「個体と述語の記号」述語論理は命題論理の拡張で、命題を主語と述語に分解し、より詳細に探究するものです。命題論理の概念やシステムの土台の上に構築されます。命題論理において「ソクラテスは...
哲学/思想

論理学とは何か(2)命題論理

(1)のつづき第四章、命題論理一節、命題と真理値(真偽)先述のように、「命題」とは、真偽を問うことのできる主張をなす文のことです。命題内容と、それに対応する現実を照合した時に、合っている(事実通りである)ものを「真」、合っていない(事実と反...