宗教/倫理

人生/一般

トルストイの『人生論』(かんたん版)

『人生論』とは トルストイの著作は明確に前期と後期に分けられます。 前期は純粋に芸術家としての文学作品が中心であり、有名な小説『戦争と平和』がこれにあたります。 後期は思想家(あるいは宗教家)としての文学作品が中心であり、有名な『復活...
人生/一般

トルストイの『人生論』(4)

(3)のつづき 第二十八章~三十三章、生命とは何か 【解説】 長いので適当にまとめます。 ここにきてようやく今まで具体的に語られなかった「生命」というものが定義付けられます。 まず、生き死にに関わる自己というものが何なのかの考...
人生/一般

トルストイの『人生論』(3)

(2)のつづき 第十八章、幸福の条件 私(個我)の幸福を不可能にするのは、第一に「個我同士の闘争」、第二に「倦怠と苦痛に終わる個人的快楽の虚構(欺瞞)性」、第三に「個我の有限性、いわゆる老いと死」と最初に述べました。 こういう世界にお...
人生/一般

トルストイの『人生論』(2)

(1)のつづき 第十章、理性は人間にとっての自然の摂理 魚がその本性に従い泳ぎ、鳥がその本性に従い飛ぶように、人間はその本性である理性の法則に従い生きることが自然なのです。 勿論、人間の本質は「理性」によって規定されると同時に、私たち...
人生/一般

トルストイの『人生論』(1)

序章 一般に科学的思考というものは、合理的なものと考えられています。 しかし、実際にはそれは非常に不合理なものであり、現代において科学と言うものはある種の宗教のようなものとなっています。 ドグマ(教義)がためのドグマであり、科学の御名...
哲学/思想

仏教哲学とは何か(4)今を生きる

(3)のつづき 今とは何か 仏教では「今を生きる」ということをしきりに説きます。 今この瞬間、この時こそが実在であり、未来や過去は想像によって生み出された煩いの種でしかないと。 しかし、「瞬間」とは一体なんで...
哲学/思想

仏教哲学とは何か(3)諦観と安心

(2)のつづき 「ありがとう」と「おかげさま」 前項までで、一応、原理的なことは説明し終えましたが、抽象的で少し分かりにくかったと思います。 ここからは日常経験やマンガや流行歌などによって、それらをもっと具体的...
哲学/思想

仏教哲学とは何か(2)存在という幻想

(1)のつづき 存在の恣意性 世界という全体から「あるもの」を切り出してくることが、その存在を生成させると、前項で述べましたが、この切り出し方というものは、かなり恣意的(自分勝手)なものです。 例えば、私た...
哲学/思想

仏教哲学とは何か(1)存在の本質

はじめに 本項は仏教を理屈でかつ分かりやすく解説することが目的です。 専門用語は可能な限り使わず、具体例に即したものにします。 仏教哲学とは仏教の哲学的な解釈です。 対象となる仏教および解釈する哲学によってその内容は変わ...
宗教/倫理

藤原基央の『カルマ』

運命の車輪 まずこの絵をよく見ていただきたいのですが、回転する車輪に人間がしがみつき、一番下には骸骨、その上に浮浪者、その上に一般人、その上に貴族が描かれています。 回転軸に紐が結ばれ、回転するようになっており、誰かが上がれ...
人生/一般

相田みつをの『人間だもの』

はじめに まず本書のエッセイ部分の内容を中心に相田の思想を見ていき、最後に詩を少し紹介します。 にんげんだもの 相田みつをの人間の定義とは「弱さ」です。 偽り、欲深く、躓き、迷い、苦しみ、誤る、弱...
宗教/倫理

ルターの『キリスト者の自由』(かんたん版)

背景 16世紀にローマ・カトリック教会で起きたキリスト教改革運動の代表となる者がマルティン・ルターです。 ローマ・カトリック教会は、教皇を頂点とした中央集権的な教会組織のヒエラルキーによって、キリスト教界を合理的に統率します。 しかし...
宗教/倫理

ルターの『キリスト者の自由』

一、 キリスト者とは何であり、彼らにキリストが与えた自由とは何か。 「キリスト者は全てもののも上に立つ自由な主人であり、何人にも従属しない」 「キリスト者は全てものに奉仕する従僕であり、何人にも従属する」 この二原則はパウロの論述か...
宗教/倫理

ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

プロテスタントと資本主義 本書のタイトル通り、近代資本主義を発展させたエートスが、プロテスタントの倫理を源泉として生じたというその成り立ちを描き出すことです。 「エートス」とは、ウェーバーが定式化した社会学的な概念で、その意味は「ある文...
哲学/思想

キルケゴールの『死にいたる病』

本書のねらい 日常を無反省に生きる人々にその絶望の状態を気付かせ、キリスト者への目覚め(希望)をうながすために書かれたものです。 本書の下巻として構想された『キリスト教の修練』につなげるための準備として、徹底的な現状把握をおこないます。...
哲学/思想

西田幾多郎の『善の研究』

主客未分の純粋経験 デカルトが既存の一切のものを徹底的に疑って疑いようのない直接的な知識「コギト」を根本原理・前提として哲学を構築したように、西田はそこに「純粋経験」を置きます。 「純粋経験」とは、あるがままの直接経験の事実...
哲学/思想

カントの定言命法

定言命法と仮言命法 カント倫理学の中心となる概念です。 倫理的問題をあつかう際に、行為の結果を基準にする「結果説」(功利主義やプラグマティズムなど)と、行為に先立つ原因としての動機を基準にする「動機説」がありますが、カントの倫理観は典型...
哲学/思想

フォイエルバッハの『キリスト教の本質』

人間の本質 あらゆる動物の中で宗教を持つのは人間だけです。 そうであるならそれは人間の根本的な特別な性質、いわゆる本質に基づき生じたものであるはずです。 通俗的に人間の本質として「意識」がよく挙げられますが、他の動物の行動...
宗教/倫理

鈴木大拙の禅

二に分かれる前の一を見る 鈴木大拙のよき生徒であった現代音楽の巨匠ジョン・ケージは、巧みなイメージによってこの世界観を説明します。 私たちがぼんやり無数の星が瞬く夜空を見上げるとき、それはひとつの全体としての星々を見ています...
宗教/倫理

森田正馬のあるがまま

理論 あるがままに生きることの自然(ナチュラル)さを失うときに、人の心は病む。 思考に囚われた不自然な心を解放し、あるがままの生をおくることによって、治癒する。 具体的には ・思考に囚われた状態の具体例 ...
哲学/思想

西田幾多郎の善

理論 ふたつの対立するものが、実はひとつのつながったものであるということに気付いた時、対立は止みます。 それが西田の言う「善」ということです。 具体的には 『長所と短所』 昔々、容姿のとても醜いカジモド...