人生/一般

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若さ(老い)とは何か

人間の理想の可能性は、生まれた時に最大値で、音声ボリューム記号の長い直角三角形のように、年を取るにつれて徐々に小さくなっていくと考えられています。子供の頃は皆、野球選手や航空機パイロットなど様々な理想をもっていますが、年を経ると共に理想をも...
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純粋”理想”批判

「思考」には現実可能性の範囲内の思考と、現実可能性の範囲外の思考があり、後者は妄想にすぎない虚構だと、昔の偉い哲学者が言いました。その二つを混同する時、人間の思考に誤謬が生じるので、きっちり分別しなければなりません。「理想」についても同様で...
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嘘はホントでホントは嘘なのだ ||:3ミ

※タイトル右の謎の記号はバカボンのパパの顔(90度左回転)です。人間は幻想を現実だと思わなければ生きていけない存在です。何時の時代、何処の場所の人々も、本気で自分の所有する世界を唯一の真の現実だと信じ、生きています。しかし、後世の人間や、異...
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無駄とは何か

人間の本質である無駄人間は、完全に合理的で調和的な自然世界に生じた、非合理で非調和的な特異な存在であると、古くから考えられています。今風の言葉で言うと、自然界に生じた一種の「バグ」であり、その本質は無駄を産出する存在であるということです。例...
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闘ってから死ね

運命の女神は気まぐれです。何の根拠もなく気分次第で、誰かに幸運を与え、誰かに不運を与えます。おまけに意地悪なので、不運に喘ぐ人間を見ると、加虐心を煽られ、さらに不運を追加してきます。まるで少女漫画に出てくる依怙贔屓がハンパないイジメのリーダ...
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傲慢なほど謙虚であれ(と、偉い人が言っています)

「知性(認識)において悲観主義者、意志(行動)において楽観主義者であれ」というロマン・ロラン(ヒューマニズムの小説家)の言葉があります。グラムシ(活動家)がよく用いていた言葉で、楽観主義の行動力と悲観主義の認識能力が揃った時に、はじめて活動...
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みんな嫌って、別にいい

多くの場合、人は誰かを嫌います。その主な動機は心的なコンプレックスであり、自分と異なる種類の人間や、自分の価値に反する人間や、自分の持っていないものを所有している人間などに対して向けられるものです。つまり、自分とは違う異邦人(エイリアン)と...
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見下しとは何か

観察者の優位性人間は他人に観察(分析と評価)される立場に置かれた時、物のような受動的で不自由な存在になり、他人を観察する立場に立った時、神のように能動的で自由な存在になります。いかに私が無力であっても、観察者の立場に立てば、有能な人間より上...
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病は気(遣い)から

人間は常に何かを志向しています(熟睡している時以外は)。志向なしには何も認識することができません。その人間の志向性を、あるドイツの哲学者は「気遣い」と呼びます。また、何かを志向する時、同時に他の何かを志向することはできません。過去ばかり気遣...
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オンリーワンなナンバーワン

人間は、横の比較による区別(区分け)によって漠然とした世界を分割・個別化し個々の事物として知覚し、縦の比較による差別(階層分け)によってそれらの事物を秩序的に把握します。前者は意味付けの作業であり(国語辞典は網羅的な区別の総覧)、後者は価値...
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仕事とは何か

仕事の目的一般的に、仕事の第一の目的は「食っていく」ことです。「食っていく」といっても、現代は狩りをしたり畑を耕したりして直接的に生活の糧を労働によって獲得するのではなく、ほとんどの人は直接的には糧とは関りのない労働の対価として金銭を得、そ...
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考え”すぎ”るな

「考えすぎるな」という忠告を、よく耳にします。様々な文脈で用いられるので、その意味も様々です。ブラック企業の先輩が目覚めそうになった後輩に言う「考えすぎるな」は、それ以上の思考の停止の指示であり、スポーツの監督が述べる「考えすぎるな」は、理...
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死(にまつわること)を思え

死(にまつわること)を思うことの効用は無数にありますが、最も言及されるのは、人生の終わりとしての死です。人は終わりを意識することによって、今の行動に充実した意味を与えることができます。そこはかとなく卒業という終わりを意識しているがゆえに、ク...
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死(そのもの)を思うなかれ

死を思うと、強い不安や恐怖に襲われることがあります。自分の居無い世界のことを考えると、脳がめまいを起したような焦燥感が生じます。人間は完全な無を考えることができず、常に無は何らかの有に対しての限定的な無です。ゼロは数の無い状態、空間的な無は...
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バック・トゥ・ザ・プレゼント

多くの人々は、現在(かつての未来)を変えるために過去(かつての現在)に戻るタイムトラベルSFが好きです。日常的にも「あの時(かつての現在に)ああしていれば、いま頃(かつての未来で)こうあったのに」という妄想に耽ります。しかし、そんな多くの人...
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落ちこむ(落胆)とは何か

落ちこむ私たち人生を真剣に生きている限り、私たちは日々、落ち込みます。落ちこむこと自体にある程度の有益性があるので、それが絶対に悪いというわけではないのですが、それはどちらかというとドラッグのように有益性を上回る有害性を生み出す危険性がある...
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哲学者とは何か

はじめに世間一般で哲学者とカテゴライズされる人は、いくつかのタイプに分かれます。本物の哲学者とは、一体どのタイプでしょうか。一、謎解き制作者としての哲学者『ドラゴンボール』という人気格闘マンガの中で「超聖水」というアイテムが登場します。飲む...
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善意とは何か

叩かれる善意最近日本では、善意というものに対して強い敵意が向けられるようになっています。そのため、人々は自らの善意の発露に対し非常に敏感になり、善意を持っていてもそれを抑圧するようになりつつあります。善意に対する敵意を生じさせる理由は無数に...
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文脈とは何か

たとえ話天体としての地球の軌道を問うと、多くの人は、円運動(公転)だと答えます。しかし、それは太陽系という極めて小さな範囲に限定した場合の動きでしかありません。実際の地球は、自転しつつ公転しているだけではなく、太陽系自体が銀河系内を回転して...
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現実とは何か(2)

(1)のつづき第二章、現実(幻想)とどう関わるか夢幻泡影の現実つい80年前までの日本は、天皇陛下は神様でお国のために死ぬのが当然だった世界です。現代でも飛行機で半日ほど飛べば、昔話に書かれた聖なる岩の争奪戦の為に国をあげての激しい戦争が行わ...
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現実とは何か(1)

はじめに最近、「現実と虚構の違いが分からない」という意見をよく耳にします。そこで「現実」とは何なのかを少し考えてみます。まず、代表的な現実のとらえ方を紹介した後、どう現実と関わるべきかを考察します。ちなみに、当頁で述べる「現実」は「現実世界...
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自殺願望とは何か

隠れた願望の手段としての自殺願望「自殺願望」とは、自ら死を望むことです。しかし、重い病気から安楽死を望むようなごく一部の人を除き、「自殺願望」を持つ人は本当は死を望んではいません。死はあくまで手段であり、真の望みは別の所にあります。例えば、...
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コミュ力・コミュ障とは何か

偽物のコミュ力(偽装されたコミュ障)日本における特殊なコミュ二ケーションを語る前に、一般的なコミュニケーション能力にまつわる一つの問題を考えておく必要があります。多くの場合、ジャイアン的な人(いわゆるDQN)はコミュニケーション能力が高く、...
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コスパ・タイパとはなにか

社会の変化と共に変わりゆく人格人間は社会的存在です。良く言えば、個々の成員は、社会という巨大な船のいち乗組員として活躍します。悪く言えば、社会という巨大な機械のいち歯車です。ですから、その社会がいかなる政治・経済・宗教的体制などを採るかによ...
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定義とは何か

定義とは定義とは、明確に定められた(限定された)ある言葉(概念)の意味・内容のことです。例えば、三角形の定義(明確な意味)は、「三本の直線で囲まれた形」で、正三角形の定義は、「三本の同じ長さの直線で囲まれた形」です。ですから、国語辞典はその...
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信念とは何か

信念≒真実の世界本頁で述べる「信念」とは、その人が「信じている事柄」を指しています。例えば、私は「地球は丸い」という信念をもっています。世界の物事を徹底的に疑う立場を懐疑論といいますが、懐疑論的に言えば「信念」と「真実」はニアリーイコール(...
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感想とは何か

はじめに「それってあなたの感想ですよね」という言葉が、2022年末発表の小学生の流行語ランキング1位となりました。ちなみに、この言葉の後には「なんかそういうデータあるんですか?」が、続きます。これは2015年の討論番組における西村博之氏の発...
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スランプとは何か

成功と失敗スランプとは、今まで当たり前に成功していたことが、急に失敗しか"できなくなる"状態です。まずはスランプのベースとなる、成功と失敗の問題について考えます。「失敗は成功の母」と言われるように、失敗と成功は表裏一体の関係にあります。人は...
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お金とは何か

はじめに社会というものは、人と人との間に物やサービスなどの「交換」が始まる時に成立します。そして、よりこの「交換」を便利にするものが貨幣であり、貨幣の成立は社会にとってほぼ必然といえます。現代において世間一般に流布している基本的な貨幣観は、...
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本物とは何か

人間の本質である「嘘」人間の定義を裏側から述べれば、"嘘を吐くことのできる動物"と言えます。嘘を吐くためには、主観と客観を往復したり、過去の記憶から未来を予測したり、言葉や表情など様々な次元のメッセージを駆使したり、動物とは異なるかなり高度...
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自責とは何か

自責と自己責任「自責」と「自己責任(自己責任とは何かを参照)」はよく似た言葉ですが、その意味するところは異なります。「自己責任(self-responsibility)」は、自己が責任(responsibility)の主体であるということ(...
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逆張りとは何か

流行する逆張り一般に受け入れられている意見に対し、反対の意見(否定、批判、逆説など)を述べることを、通俗的に「逆張り」などと言います。最近、日本では「逆張り」が流行しており、テレビの毒舌芸人、逆張系のユーチューバー、ディベートで逆説を駆使す...
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理由とは何か

理由の探求学問の基本的な目的のひとつが「理由(原因)」を探すことです。理由が分かれば、何らかの悪い問題を解決したり、物事を良い方向へ操作的に動かしたりすることができます。例えば、風邪をひきやすい人がいれば、その原因を探すことによって健康な生...
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人間不信とは何か

人間不信は善くも悪くもない人間は本質的には善でも悪でもなく、ニュートラルな存在です。条件次第で悪にもなれば善にもなります。人間が信じられる存在かどうかも同様、条件次第で変わるものです。例えば、人を疑うこともなく、また人を騙すこともない純粋無...
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勝ち組、負け組とは何か

勝ち組と負け組現代の俗語としての「勝ち組」「負け組」とは、競争社会における社会的地位および経済的地位の優劣を指す言葉です。勝ち負けは評価基準によって相対的に変化するものですが、この「勝ち組」「負け組」の評価基準は非常に単純で、結果として現れ...