樽の中のネコデゲス

哲学/思想

プラトンのイデア論

注、本頁を読まれる前に必ずプラトンの弁証法の項をお読みになってください。イデアと現象「イデア(idea)」とは観念、理念、本質、理想などの意味をもつ語で、現在の「アイデア」の語源にもなっています。それの対となるものが、目の前に現実にあらわれ...
人生/一般

生きることの意味

第一章、行為の意味生きることに意味はあるのか生きるというのは死ぬまで続く日々の行為の連続です。生きることの意味を問う前に、先ず行為の意味を考える必要があります。行為の意味そもそも、ある行為に意味があるとはどういうことでしょうか。ある言葉を定...
心理/精神

マズローの人間性心理学

欲求段階説人間の欲求は五段階のヒエラルキー状に構成され、低次階層の欲求が満たされると高次の階層の欲求に昇っていくというものです。第一階層「生理的欲求」生物学的な生命維持のために必要なものへの欲求の段階です。呼吸や飲食や体温調整、睡眠欲や性欲...
人生/一般

マルクス・アウレリウスの『自省録』

自省録の概要ローマ皇帝マルクス・アウレリウスの哲学をいくつかの要素にまとめるとすれば、「世界をありのままに見、自然の摂理を受け入れ、自己の理性に従い、今この時を生きる」ということになるでしょうか。徹底していることは、「現」に今ここにあるもの...
哲学/思想

ニーチェのアポロ的とディオニソス的

アポロ的とディオニソス的ニーチェ哲学の基礎を形作った出来事として、若い頃のショーペンハウアー哲学への耽溺とその反動というものがあります。先ずはショーペンハウアーの頁を読んでいただきたいのですが、それは世界の根源には混沌とした欲望する意志の塊...
哲学/思想

ショーペンハウアーの『意志と表象としての世界』(かんたん版)

意志と表象様々な無数の事物が入り乱れる私たちの経験世界の根源に在るひとつのものを、ショーペンハウアーは「意志(生の意志)」と名付けます。宇宙全体の生成をつかさどる根源的な生の力のようなものを指しています。その根源的な一者が、人間の認識の形式...
芸術/メディア

ミニマリズムとは何か

ミニマリズムの公式ミニマリズムの本質をうまく表現したものとして“Less is more.(より少ないことは、より豊かなことだ)”という建築家の言葉があります。この言葉で重要なことは、「より少ないことは、より多くあることだ」と直訳されるので...
心理/精神

ロジャーズの自己実現

あるがままの私カール・ロジャーズは、様々な心の問題をひき起こす根本的な原因として、自己と他者(他人という意味ではなく自己でないもの全般)の間のバランスが崩れ、本来の主体である「あるがままの自己」がそれらに呑みこまれ見失われてしまうことにある...
宗教/倫理

鈴木大拙の禅

二に分かれる前の一を見る鈴木大拙のよき生徒であった現代音楽の巨匠ジョン・ケージは、巧みなイメージによってこの世界観を説明します。私たちがぼんやり無数の星が瞬く夜空を見上げるとき、それはひとつの全体としての星々を見ています。それを、二に分かれ...
哲学/思想

パースのプラグマティズム(かんたん版)

プラグマティズムプラグマティズムはアメリカを代表する哲学であり、最も有名なのがウイリアム・ジェームズですが、そのジェイムズの哲学の元ネタになっているのが、チャールズ・サンダース・パースです。プラグマティズムを直訳すれば、実用主義ですが、その...
芸術/メディア

エイゼンシュテインのモンタージュ論(かんたん版)

組み合わせとしてのモンタージュモンタージュというと、一般的には顔写真をパーツごとに切り貼りした犯人の顔というイメージでしょうか。基本的にはそれと同じで、様々な映像や画像を切って貼って合成したものです。この合成によって生まれる力を映画において...
哲学/思想

ジェームズの『プラグマティズム』

変化と運動としての真理一般的に真理というものは、絶対普遍の確固とした安定的なものと理解されています。しかし、実際は現実的にそうなっているでしょうか。例えば、私たちは学校で教科書を正しいこと(真理)として教えられます。学校においてはまさに教科...
哲学/思想

相対主義とは何か(1)

世界観私たちは一般に、世界はひとつであり、人間はみなその中に生きていると思っています。ひとつの頂点があって、下に向かって系統樹のように枝分かれしていく秩序のピラミッドの中に住むイメージでしょうか。物理的に言えば、世界は皆が共有するひとつの同...
芸術/メディア

メディアリテラシーとは何か

わたしたちの経験の大半は、メディア(音声、文字、映像など)を通して得たものです。人との会話からテレビのドキュメント番組まで。リアルタイムで実体験できることには、今、ここ、一日24時間、等の限界があるため、それ以上の経験を望むならばメディアを...
哲学/思想

プラグマティズムとは何か

基本理念かなり単純化して言うと、理念的なものより実利的、実際的なものを重視する考え方です。今風の言葉でいうなら、結果が全て、結果の中にあらわれないものや実際の結果と関係した推論以外は無意味だとする立場です。具体例一、為すべきことは結果から決...
心理/精神

エリクソンのアイデンティティとライフサイクル

アイデンティティアイデンティティとは自己同一性のことです。それは時間や場所の変化によってコロコロ変わるものではなく、安定して自己が常に同一であるということの意味です。今、私は私であり、過去においても私は私であったし、未来においても私は私であ...
哲学/思想

ニーチェのルサンチマン

生の逆流とルサンチマン何らかの流れの前に障害物が現れせき止められた時、二つの現象が起こります。A.その鬱血した流れが反転し逆流する現象。B.血栓ができた時に生成する異常血管のように、歪んた方向に強引に支流を作り出し流れだす現象。人間の生のエ...
心理/精神

フロイトの『精神分析入門』(かんたん版)

錯誤行為私たちは日常、多くの錯誤行為をおかします。言い間違いや忘れ物や失策などです。意識ではきちんとしているつもりでも、知らず知らずのうちにしてしまう行為。これを合理的に説明しようとする際にどうしても必要となってくるものが「無意識」の存在と...
言語/論理

ウィトゲンシュタインの言語ゲーム

語の意味とはその使用である例えば、ある青年が星空を見上げて「綺麗だね」と恋人に語りかけたとします。恋人はうなずいて、そばに寄り添います。一般的にはこの「綺麗」という言葉の意味は、星空のきらめきの美しさを指していると思われます。さらに言えば、...
哲学/思想

ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』

世界と事実SF映画によくあるように、私の全ての記憶を消去されたとしましょう。そして私は部屋で目覚めます。その時、最初に私の眼に映ったものは、「こたつの上でネコが寝ている」という『事実』です。いま、私の世界は「こたつの上でネコが寝ている」とい...
哲学/思想

ハイデガーの『存在と時間』(2)

1のつづき存在と時間私たちは基本的に近代科学的な時間の概念でものを見ています。それは直線的で、未だ来ない「未来」は「現在」になり、やがて「現在」は過ぎ去り「過去」になるというものです。未来・現在・過去が均質な関係として成り立っています。けれ...
哲学/思想

ハイデガーの『存在と時間』(1)

存在と存在者「存在とは何か」という問いは、人が思考する上で最終的にたどりつく有史以来の難問で、この探求を「存在論」といいます。例えば宇宙の始まりや果てを物理学的に解明したとしても、人間のDNA構造を究極的に解析して人間の何たるかを知ったとし...
心理/精神

アドラーの個人心理学(かんたん版)

力への意志人間の行為の原動力となるものをアドラーは「力への意志」と名づけます。力と言っても暴力のことではなく、生きるためのパワーのようなものです。前期フロイトが性欲の力(リビド-)に限定したものを拡張して、生命そのものが持つ全体的な力の概念...
哲学/思想

ベンヤミンの『暴力批判論』

本書のねらい暴力批判論の目的は、暴力と法と正義の関係を描くことです。いわば暴力の歴史哲学的記述です。自然法的暴力と実定法的暴力自然法的な暴力とは、目的が正しければ手段である暴力も正当化されるという考え方です。例えば、生存競争で生き残るために...
心理/精神

フランクルのロゴセラピー

精神因性精神的な病の原因として、基本的には心理的なものと身体的なものの大きな二つのカテゴリーが挙げられます。例えば心理的なトラウマが原因でうつ症状がでている人に、いくらうつの薬を処方しても根本的には改善されませんし、逆に原因が身体的なもので...
人生/一般

フロムの『愛するということ』

愛されるのではなく愛することタイトルにもなっているように、フロムにとって愛において重要なのは、「愛される」のではなく「愛する」ということです。それは互いに自立した男女が結ばれる愛のことであり、互いに自立できない男女が依存しあう愛ではありませ...
言語/論理

ソシュールの実体概念から関係概念へ

言語の成立まず、簡単な思考実験をしてみましょう。特殊な記憶喪失になって言葉の記憶のみが無くなってしまった人がいるとしましょう。その人が風景を前にして目にするものは、なんだかよく分からない抽象絵画のような混沌とした世界です。混沌とした感じに不...
言語/論理

バルトの記号学

表示義と共示義例えば、「さくら」という記号表現には、みなさんがお花見のときに見る実際の桜という記号内容が対応しています。この当たり前の事実を記号学的にはむずかしく、「表示義(ディノテーション)」といいます。表に示される義(意味)と書いて「表...
人生/一般

アリストテレスのエネルゲイア

概念キーネーシス(運動)・・・目的をもち、そこを終点とした限界の中にある不完全(未完成)な行為。活動の主体が外部にあり動かされるもの。時間の内にある、物理的運動に類する行為。エネルゲイア(活動)・・・目的が行為そのもののうちに内在し、限界(...
哲学/思想

ソクラテスの無知の知と産婆術

無知の知の基本理念自分が無知であると知る者こそが、真の知者である。知とは単なる知っているつもり例えば、私たちは「月が地球の周りを回っていることを知っている」と思っています。しかし、本当にそうかと自分の知識を疑ってみて調べてみると、月は地球の...
芸術/メディア

ベンヤミンの『複製技術時代の芸術』

理論複製技術の発展によって、芸術作品の「アウラ」が喪失する。それにより、芸術形式とその受容態度(知覚のあり方)が変化する。具体的には【アウラとは何か】ある高校生が最後の夏に恋人と花火大会に行くとします。河川敷の草の香りや人々の熱気、手のひら...
科学/自然

ダーウィンの種の起源

理論環境に適応するように生物は進化し(進化説)、分岐して多様な生物種が生まれる(分岐の原理)。具体的にはまず、同じ生物種においても、ちいさな個体差があります。同じ人間でも、身長が違ったり、肌の色が違ったりします。必然的に、環境の中で有利な特...
心理/精神

ベイトソンのダブルバインド

概要私たちがコミュニケーションを行う意味世界には、階層・次元(レベル)の違いがあります。低次のメッセージの意味を決定するための参照枠が、高次(メタレベル)のメッセージであり、通常(低次)の生活コミュニケーションの上には、高次のメッセージとし...
芸術/メディア

マクルーハンのメディアはメッセージである

基本理念結論から述べれば、「メディアはメッセージである」ということは、「容れ物(形式)こそが中身(内容)だ」ということです。それをいくつかの類型に分けて、具体例で説明していきます。一、容れ物に既定されている中身たとえば、子供に好きな食べ物を...
哲学/思想

サルトルの実存は本質に先立つ

基本理念人間には本質がない。ゆえに人間は実存(現実存在の略)としての行為が、自分自身の本質を作っていく。具体的には物には本質があります(ある物を成立させる重要な性質を本質といいます)。例えば石の性質(本質)は決まっているので、この力と角度で...