哲学/思想 ニーチェのアポロ的とディオニソス的 アポロ的とディオニソス的ニーチェ哲学の基礎を形作った出来事として、若い頃のショーペンハウアー哲学への耽溺とその反動というものがあります。先ずはショーペンハウアーの頁を読んでいただきたいのですが、それは世界の根源には混沌とした欲望する意志の塊... 2017.12.19 哲学/思想
哲学/思想 ショーペンハウアーの『意志と表象としての世界』(かんたん版) 意志と表象様々な無数の事物が入り乱れる私たちの経験世界の根源に在るひとつのものを、ショーペンハウアーは「意志(生の意志)」と名付けます。宇宙全体の生成をつかさどる根源的な生の力のようなものを指しています。その根源的な一者が、人間の認識の形式... 2017.12.17 哲学/思想宗教/倫理
哲学/思想 パースのプラグマティズム(かんたん版) プラグマティズムプラグマティズムはアメリカを代表する哲学であり、最も有名なのがウイリアム・ジェームズですが、そのジェイムズの哲学の元ネタになっているのが、チャールズ・サンダース・パースです。プラグマティズムを直訳すれば、実用主義ですが、その... 2017.11.27 哲学/思想
哲学/思想 ジェームズの『プラグマティズム』 変化と運動としての真理一般的に真理というものは、絶対普遍の確固とした安定的なものと理解されています。しかし、実際は現実的にそうなっているでしょうか。例えば、私たちは学校で教科書を正しいこと(真理)として教えられます。学校においてはまさに教科... 2017.11.12 哲学/思想
哲学/思想 相対主義とは何か(1) 世界観私たちは一般に、世界はひとつであり、人間はみなその中に生きていると思っています。ひとつの頂点があって、下に向かって系統樹のように枝分かれしていく秩序のピラミッドの中に住むイメージでしょうか。物理的に言えば、世界は皆が共有するひとつの同... 2017.10.30 哲学/思想
哲学/思想 プラグマティズムとは何か 基本理念かなり単純化して言うと、理念的なものより実利的、実際的なものを重視する考え方です。今風の言葉でいうなら、結果が全て、結果の中にあらわれないものや実際の結果と関係した推論以外は無意味だとする立場です。具体例一、為すべきことは結果から決... 2017.10.20 哲学/思想
哲学/思想 ニーチェのルサンチマン 生の逆流とルサンチマン何らかの流れの前に障害物が現れせき止められた時、二つの現象が起こります。A.その鬱血した流れが反転し逆流する現象。B.血栓ができた時に生成する異常血管のように、歪んた方向に強引に支流を作り出し流れだす現象。人間の生のエ... 2017.09.23 哲学/思想心理/精神
哲学/思想 ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』 世界と事実SF映画によくあるように、私の全ての記憶を消去されたとしましょう。そして私は部屋で目覚めます。その時、最初に私の眼に映ったものは、「こたつの上でネコが寝ている」という『事実』です。いま、私の世界は「こたつの上でネコが寝ている」とい... 2017.09.09 哲学/思想言語/論理
哲学/思想 ハイデガーの『存在と時間』(2) 1のつづき存在と時間私たちは基本的に近代科学的な時間の概念でものを見ています。それは直線的で、未だ来ない「未来」は「現在」になり、やがて「現在」は過ぎ去り「過去」になるというものです。未来・現在・過去が均質な関係として成り立っています。けれ... 2017.09.04 哲学/思想
哲学/思想 ハイデガーの『存在と時間』(1) 存在と存在者「存在とは何か」という問いは、人が思考する上で最終的にたどりつく有史以来の難問で、この探求を「存在論」といいます。例えば宇宙の始まりや果てを物理学的に解明したとしても、人間のDNA構造を究極的に解析して人間の何たるかを知ったとし... 2017.09.01 哲学/思想
哲学/思想 ベンヤミンの『暴力批判論』 本書のねらい暴力批判論の目的は、暴力と法と正義の関係を描くことです。いわば暴力の歴史哲学的記述です。自然法的暴力と実定法的暴力自然法的な暴力とは、目的が正しければ手段である暴力も正当化されるという考え方です。例えば、生存競争で生き残るために... 2017.08.25 哲学/思想社会/政治
人生/一般 アリストテレスのエネルゲイア 概念キーネーシス(運動)・・・目的をもち、そこを終点とした限界の中にある不完全(未完成)な行為。活動の主体が外部にあり動かされるもの。時間の内にある、物理的運動に類する行為。エネルゲイア(活動)・・・目的が行為そのもののうちに内在し、限界(... 2017.08.13 人生/一般哲学/思想
哲学/思想 ソクラテスの無知の知と産婆術 無知の知の基本理念自分が無知であると知る者こそが、真の知者である。知とは単なる知っているつもり例えば、私たちは「月が地球の周りを回っていることを知っている」と思っています。しかし、本当にそうかと自分の知識を疑ってみて調べてみると、月は地球の... 2017.08.12 哲学/思想
哲学/思想 サルトルの実存は本質に先立つ 基本理念人間には本質がない。ゆえに人間は実存(現実存在の略)としての行為が、自分自身の本質を作っていく。具体的には物には本質があります(ある物を成立させる重要な性質を本質といいます)。例えば石の性質(本質)は決まっているので、この力と角度で... 2017.08.03 哲学/思想
哲学/思想 カントの物自体 理論まずはじめに世界(もの)があって、それを人間が認識するのではない。逆に人間の認識能力にあわせて世界(もの)は形づくられ、はじめて存在する。具体的に生物の知覚で例えてみましょう。猫の聴覚は人間の3倍以上の範囲の音(~6万ヘルツ以上)を聴く... 2017.07.15 哲学/思想
哲学/思想 プラトンの弁証法 弁証法の成立ソクラテスにおいては、相手に無知を自覚させるためのものであった「問答法」の中に、プラトンは思弁的な機能を見出し、それを世界の事物の普遍的な真理や法則を導き出す方法論としてとらえ返し、以後、ヨーロッパ思想の根幹となる「弁証法」が成... 2017.07.15 哲学/思想
哲学/思想 西田幾多郎の善 理論ふたつの対立するものが、実はひとつのつながったものであるということに気付いた時、対立は止みます。それが西田の言う「善」ということです。具体的には『長所と短所』昔々、容姿のとても醜いカジモドという若者がいました。容姿のせいで自信の持てない... 2017.07.15 哲学/思想宗教/倫理