基礎練習・人体その4~自然表現

日記

自然表現の基本的要素

人形(機械)と人間(自然)の身体の外観には、大きな違いが二点あります。
ひとつは、パーツ(肉塊)の変形で、主に、a.動作による変形、b.接地面による変形、c.重力による変形、です。
もうひとつは、軸線(骨格)の変形で、d.バランス(重心)、e.ムーブマン(動勢)です。
以下の五つを順に解説します。

主に肉に関するもの
a.動作による変形
b.接地面による変形
c.重力による変形

主に骨に関するもの
d.バランス(重心)
e.ムーブマン(動勢)

a.動作による変形

これは筋肉(及び脂肪)の変形です。
例えば、肘を曲げると、力こぶ(上腕二頭筋)の方が膨らみ、反対側が伸びて細くなるように、身体を動かすことによって生じるフォルムの変形です。
反対の部分と対になって変化したり、隣接のものと連動して変化したり、常に他の部分と関りながら変化します。

b.接地面による変形

これは肉が他の物体と接触することによって生じる変形です。
肉の硬い部分は変化が少なく、柔らかい部分はおモチのように変化しやすくなります。
例えば、ヒザを組んだ時に上になる側の大腿部モモ肉が広がったり、肘を限界まで曲げた時に曲げた内側(肘の反対側)に膨らみが生じたり、椅子に座った時に臀部が潰れたりするような、物体同士の接触による変化です。
肉体同士の接触、肉体と外部物体の接触の二種類あります。

c.重力による変形

これは重力によって肉が下に落ちる変化です。
肉の硬い部分は変化が少なく、柔らかい部分はおモチのように変化しやすくなります。
女性の胸のように柔らかいものは、立ったり横になったり逆立ちをしたり、方向を変えた時の重力の変化は分かり易いので、目につきますが、実際、その他の部分も同様にかなり変化しています。
例えば、逆立ちをして撮った顔の写真をひっくり返せば、ストッキングをかぶって上に引っ張ったお笑い芸人の様な顔になっています。
寝転んで横になった人体もかなり変形しており、それを描かないと、寝ているというより、立った人体の写真を横にしただけのような不自然なものになります。

d.バランス(重心)

制止したものが立つため、あるいは運動時に転倒せず持続するためには、相当複雑な骨格の変形によってバランスを取らなければなりません。
この骨格の変形をきちんと描かないと、マイケルジャクソンの「スムース・クリミナル」の前傾姿勢のように、宙に浮いた機械人間のような不自然な姿勢になります。
人間が、人形と本物の人間を見分ける際、直感的にこのバランスによる骨格姿勢の変形を参考にしていますが、敢えてこのバランスを不自然にすることによって人形を表現するのが、ロボットダンスです。
要するに、このバランスをきちんと描かないと、ロボットや人形のようになってしまうということです。

e.ムーブマン(動勢)

バレイなどにおける身体の形を見れば分かりますが、人間の各関節を介した部分は、全体としてひとつの流線のようになっています。
球体関節人形のようにガクガクした姿勢ではなく、ムチのしなりのように非常に滑らかです。
「vvvvvv」←こういうガクガクシタ姿勢が人形やロボットの特徴ですが、人間の場合は非常に繊細な解剖学的な機能が働いて「~~~~」 ←こういう風に滑らかになり、身体全体の姿勢として大きな流れのようなものが生じます。
この流線をきちんと描かないと、ロボットや人形のようになってしまいます。

 

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