基礎練習・人体その3~構造表現

日記

第一節、構造の選択

先ずは自分がどの程度の精度の人体の絵を描くかに合わせた人体構造を選択する必要があります。
過剰な技術の習得は努力の無駄だけで済まず、むしろ悪影響を及ぼすので、最適点を把握しておく必要があります。
例えば、ドラえもんの登場人物レベルの身体でいいなら下図左、ガンダムの登場人物レベルの身体なら真ん中、写実的なアメコミヒーロー位の身体なら右、のような順で複雑な構造を選択的に学ぶ必要があります(画像左から、オビツ製作所、ユニオンクリエイティブ、彫刻家andrew cawrseによる制作です)。

絵柄の問題だけでなく、性別や年齢や体形によっても変わります。
例えば、私は、子供を描く時は左の人形と真ん中の人形の中間くらいのパーツ数で、女性の場合は真ん中の人形位のパーツ数で、男性は真ん中と右の人形の中間くらいのパーツ数で把握し、描きます。
しかし、女性でもアマゾネスのような筋肉質の女戦士を描く場合は右の人形くらい精緻に、成人男性でも皮下脂肪が多く解剖学があまり意味を持たないデブっちょの場合はマシュマロマンのように少ないパーツ塊で描きます(画像はバンダイのS.H.Figuartsマシュマロマン)。

第二節、軸線(骨格)とパーツ

人間の基本構造は「骨」と「肉」ですが、これを抽象化すると軸線とパーツ塊に分かれます。
下のような軸線(骨格)にパーツ(肉)が乗っかったような感じです。

軸線(骨格)をどのように描き、どのような形態のパーツ(肉)で行くかは、第一節で述べた構造の精度(細かさ)によるので、人それぞれです。
自分に最適なものを選択的に見つけていくしかありません。
ちなみに私が男性の人体をを描くの場合は、下のような軸線(骨格)とパーツ(肉)を基準に描きます。

ドラえもんの登場人物のような人体であれば、軸線(骨格)をすっとばして(頭の中でイメージして)、いきなりパーツ(肉)から描いていけると思います。

第三節、パーツ(肉)

基本的に人体は、イメージの中で好みの動作に曲げた軸線(骨格)の上に各部分のパーツ(肉塊)を置いていくという作業です。
軸線の形態は、象形文字の人間(orz)のように単純なので簡単に把握できますので、問題となるのは部分のパーツです。
この際、各パーツを全方向から見た形態を、事前に記憶しておかなければなりません。

英単語の語彙を憶えていないと文章が作れないように、視覚的な語彙としてパーツの図像をインプットする必要があります
「この部位のパーツをこの角度から見たらこういう形になる」という図形を、イメージとして記憶にストックし、自由に英文を作る時のように、自分の好きなポーズ(軸線)に合わせて、そのストックしておいた視覚的語彙を想起し、配置するのみです。

非常に単純ですが、骨の折れる作業です。
「英語」ならぬ「人体解剖語」という外国語をひとつ習得するようなものです。
人体を描くのが下手な人は、絵が下手なのではなく、単に視覚の語彙が不足しているだけです。
これは英単語を憶えていくように、地道に努力し、獲得していくしかありません。

今は英訳アプリによって、一般人は英語を習得する必要が無くなってきたように、よほど専門的に人体描写に関わる人でない限り、「人体解剖語」を憶える必要はなく、3Dデッサン人形アプリのトレースで十分です。

第四節、視覚的語彙の習得

人体の各部位をどう分割し記憶するかは、第一節で述べたように、どういう絵を描くかによって異なります。
ドラえもんの人物のような絵なら、パーツの数も少なく、角度による変化や運動による変化も小さく、喩えるなら小学生英語の単語数くらいの簡単な視覚的語彙で済みます。
しかし、アメコミ風の筋肉の繊維まで表現するような人体の場合、パーツの数も非常に多く、角度変化も運動変化も激しく、医者並みの解剖学的な図像知識が必要になり、喩えるなら大学受験の英単語数を憶えるくらい面倒な作業になります。

視覚的語彙を記憶する方法は、基礎練習・人体その1~練習方法ですでに述べました。

 

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