2019

哲学/思想

カミュの『不条理の論証』(1)不条理と自殺

<第一章、不条理と自殺> 自殺の考察 哲学上の重大問題は自殺のみです。 人が生きるべきか死ぬべきかの根本問題に尽きます。 また、同時に哲学者は自分の身をもって自身の哲学を体現しなければ嘘になります。 ...
人生/一般

虚無感とは何か

虚無感 ある休日、長い昼寝をしてしまって日暮れ過ぎに起きた時、理由も分からない虚無感や不安に襲われることがあります。 そんな日常のほんの些細な出来事や瞬間に訪れるこの虚無感の正体とは一体なんでしょうか。 ...
人生/一般

セネカの『人生の短さについて』

一、人生は使い方次第で、長くも短くもなる 多くの人は人生が短いと嘆く。 何の準備も整わないうちに、人は召される。 偉大な人(ヒポクラテス)も「人生は短く、学は長い」と言う。 しかし、私たちに与えられた人生の時間は十分に長く、偉大...
心理/精神

デシの『人を伸ばす力』(5)病める社会

(4)のつづき 以上の考察から、自尊感情には二つの類型が存在することが分かります。 真の自尊感情と行動随伴的な自尊感情です。 真の自尊感情とは、生来的な人間としての自分という基盤の上に築かれた健全で安定...
心理/精神

デシの『人を伸ばす力』(4)社会と自己

(3)のつづき 第七章、社会の一員になるとき 社会化とは、社会の成員になるために必要なスキルを身につけることです。 社会化の担い手(親、教師、管理職など)は、下位の者たちが自分の意志によって社会の活動に従事し、...
心理/精神

デシの『人を伸ばす力』(3)内なる力

(2)のつづき 第五章、有能感をもって世界と関わる 動機づけられるためには、自身の行動と結果の間の連関を知る必要があり、その仕組みを作らねばなりません。 国家的な経済システムから会社のような組織レベル、親子のよ...
心理/精神

デシの『人を伸ばす力』(2)自律と動機

(1)のつづき 第三章、自律を求めて 人間の身体に生理的欲求があるように、心にも生得的な心理的欲求というものがあります。 それが自律性の感覚であり、自己が行為のコントロール源であるという経験への欲求です。 生...
心理/精神

デシの『人を伸ばす力』(1)権威と報酬

第一章、権威と不服従 社会は自分たちの生活に支障をきたす人々の無責任な行動や逸脱行動に統制を求めます。 しかし、権威に頼る統制では多くの場合、期待した成果は得られませんでした。 そこでまず、非難や統制ではなく、なぜ...
哲学/思想

パスカルの『パンセ』(4)賭けと回心

(3)のつづき 賭けと回心 421 わたしが正しいと認めることのできるのは、ただ、呻きつつも求める人だけである。 218 魂に関わる問題こそが、全生涯における一大事のはずだ。コペルニクスの学説など深...
哲学/思想

パスカルの『パンセ』(3)気ばらしと逃避

(2)のつづき 逃避 131 仕事も娯楽もなく、情熱も精神の集中もない完全な休息状態ほど、人間にとって耐えられないものはない。その時人間は、自分の空虚と寄る辺なさと無力に直面し、心の奥から、憂い、絶望、恨み、悲...
哲学/思想

パスカルの『パンセ』(2)人間の悲惨

(1)のつづき 人間の悲惨 82 「想像力」と言う人間の内にあるペテン師によって、「理性」は抑圧され支配される。それは人間に付帯的な第二の本性を作り上げる。幸福な人と不幸な人、健康な人と病める人、富める者と貧し...
哲学/思想

パスカルの『パンセ』(1)現実の空しさ

人間は考える葦である 本書の趣旨は、あの有名な「人間は考える葦である」という言葉に集約されています。 この言葉の後には以下のような意味のことが述べられます。 人間は吹けば飛ぶような一本の葦のように弱い存在であり、宇...
人生/一般

ディオゲネスのシニシズム

キュニコス学派 ソクラテスの弟子のうち、有名なプラトンとクセノフォンを除いた一派を小ソクラテス派といい、その中のひとつがキュニコス派です。 キュニコスとは「犬のような人」という意味で、その野良犬のような生き方に由来し、キュニコスの英語c...
社会/政治

差別とは何か(2)

(1)のつづき そもそも差別はいけないことなのか 最近、差別をしている人を非難すると、「あなたは差別する人を差別する人だ」と批判し返す人達が目に付きます。 当たり前のはなし、いきなり相手を暴行する行為は犯罪であ...
社会/政治

差別とは何か(1)

差別の二つの類型 誰もが簡単に自分の意見を述べられる時代、誰もが自分を被差別者だと訴えます。 それによって本当の差別が覆い隠され、見えにくくなっているのが現状です。 そこで少し差別というものの本質や定義を、もう一度...
哲学/思想

フーコーの『知への意志(性の歴史)』

抑圧の仮説 近代西欧における性の問題を語る際に通説となっているものが、「性の抑圧仮説」です。 17世紀以降、性というものの抑圧がはじまり、性的なことを口に出すこともはばかれるような時代が生じたとされます(典型がヴィクトリア朝...
人生/一般

ジェームズ・アレンの『原因と結果の法則』(3)考察

(2)のつづき なぜそうなる? 本書は自己啓発本の原点とも言われ、1世紀以上を経た現在でも世界中で売れ続けている力のある本です。 実際、1902年に書かれたものとは思えないくらい、すぐれた心理学的・哲学的洞察が...